家庭教師は好きな人でした。

□[39]頭撫でる手どけてほしいんスけど
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「お前ちょっと働きすぎ。こっちとしてはありがたいけど、少しは体休めろ。今ならちょい客少ないし、じゅうぶん回せるから」

普段から誰でも分け隔てなくよくしてくれてる店長は、雰囲気がどことなく笠松先生に似ている。

「じゃあ、お言葉に甘えて。お疲れ様でした」

「お疲れ。また明後日頼むわ」

「はい」

素直な俺の返事に、店長は素直でよろしいと頭を撫でてきた。




今日はこの後はもうバイトは入れてない。本当は入れるつもりだったけど、黒子っちに会う時間が欲しくて敢えて入れなかった。

こんな事言ったら黒子っちは喜ぶより先に「ボクのせいで黄瀬君のバイトスケジュール狂わせちゃいましたね」と恐縮しかねないから、もちろん内緒。

昨日は会えなかったから、余計にバイト入れなくてよかったと実感する。

こんな事考える時点で俺かなり黒子っちの事好きだよなぁとか思いつつ、黒子っちのバイト先であるコーヒー店の近くまで来た時、ちょうど店を出て来たらしい黒子っちの姿が見えた。

私服であるところから見て、配達ではなくバイト終わりなんだと分かり、俺は少し笑って無防備な肩をぽんと叩いた。

「かーれし、今暇?俺と飯食い行きません?」

「遠慮しま……」

不本意だろうけどさすがナンパされ慣れている黒子っち、振り向きざまに断ろうとする姿は少し可愛かった。

「ありゃ。フラレちゃったっス」

クスクス笑うと、俺を認識した途端その顔はぱっと明るくなった。

「黄瀬君!どうしたんですか?バイトは?」

「今日はもう上がり。黒子っちの後ろ姿見付けたから声かけたんだけど、今フラレちゃったし」

と嘆くフリをすると、黒子っちは思い切り首を横に振って「黄瀬君とならどこにでも行きたいですっ」とか力説する姿が可愛くて。

「黄瀬君、何かいい事ありました?」

「うん?」

「機嫌良さそうなので」

「んー、昨日はお店行っても会えなかった黒子っちに、ここで会えたからっスかね?」

行こ、と手を引いたら、黒子っちは嬉しげに笑ってこくんと頷いた。

きっと、俺が機嫌のいい理由を「本当なら嬉しい」とか思ってるんだろうな。いや、これはうぬぼれからくる勝手な想像だけど。

そうだと嬉しいな。




暫くデートして、ご飯を食べた。

クラシック系の曲が流れるその店でまたR.Kの曲が流れて。

「何度聞いても好きですこれ」

耳を済ます黒子っちがとても愛しくて、俺はずっとその姿を眺めていた。



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自分で書いてて何だけどちょっとじれったい。
そして青峰っちのきーちゃん溺愛ぶりが(笑)。青黄は書くのも読むのもだめなんだけど、友情ものならOK……てか見ようによっては青黄だよなぁこれと思いつつ(^^;)
……でも青黄ではないですよ!
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