眠り姫に甘いキスを。
□第七話…「ああ、好きだなぁ……」※
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「ん…っんぁ…ッ」
深く激しいキスから俺を解放すると、優貴の手が俺の服の下へと侵入してきた。
「……ッ?!ゆ、ゆうき?!」
ちょっとまて! ちょっとまて!!
これってあれ?! あれだよね?!
そういうことなんだよね?!
うわあああ!!/////
「――なぁに?」
優貴は不思議そうに俺を見つめて首をかしげる。
いや、そんな顔されてもっっ!!!
というかそんな顔しながら俺の身体を撫で回さないでッ! お願いだから!
「いやっあのっその…ッ! …………ここ、で…す…する、の…? その…」
「……………………………………………………………ダメ?」
悲しそうな顔で俺をみる優貴に、俺はぱくぱくと口を開け閉めすることしかでいない。
「だっだめって、いうっかぁ……っそのぉ…っあの、えっと、」
「……月希が嫌なら、しないけど」
少し悲しそうに俺を見つめ、俺はなにも言えなくなる。
「い……いやじゃ……な、い……けどっ! そ、その…こ、ここ……学校、だし、外、だし……だ、誰か来たら、ハズ…かしい、し…その………………ど、どっちかの家、がいい……」
言ってる自分の声が小さくなる。なに言ってんだ俺、恥ずかしい。
「……そう」と優貴は言うと、俺の身体を起こす。
あっさりと優貴が俺を起こしたことに拍子抜けして、俺は「え」と顔を上げて優貴をまじ まじと見つめる。
優貴は人差し指を俺の口元に当てて、優しい笑顔で俺を見つめる。
その顔をそらすことが出来ない。
俺の口元に当てていた手を優貴はゆっくりと俺の手に重ねる。
ほぼ無意識にぎゅっと手を絡め合って、手を握り合う。
……優貴の手って、大きいなぁ……。
大きいからだろうか、すごく恥ずかしいのに、とても安心して、それでいてどきどきして、 嬉しいと感じる。
……優貴だから、かな?
「……優貴?」
「……じゃ、行こっか」
優貴はにっこりと笑って俺の手を引きながら歩き出す。
「……え?」
どこに、と言おうとして俺はきょとん、という顔をおもむろにしていたと思う。
また優貴はにっこりと笑って俺と目線を合わせる。
目線が交差して、俺は無駄に恥ずかしくなり、顔が熱くなるのを感じる。
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