眠り姫に甘いキスを。

□第七話…「ああ、好きだなぁ……」※
1ページ/13ページ

「ん…っんぁ…ッ」

 深く激しいキスから俺を解放すると、優貴の手が俺の服の下へと侵入してきた。

「……ッ?!ゆ、ゆうき?!」

 ちょっとまて! ちょっとまて!!

 これってあれ?! あれだよね?!

 そういうことなんだよね?!

 うわあああ!!/////

「――なぁに?」

 優貴は不思議そうに俺を見つめて首をかしげる。

 いや、そんな顔されてもっっ!!!

 というかそんな顔しながら俺の身体を撫で回さないでッ! お願いだから!

「いやっあのっその…ッ! …………ここ、で…す…する、の…? その…」

「……………………………………………………………ダメ?」

 悲しそうな顔で俺をみる優貴に、俺はぱくぱくと口を開け閉めすることしかでいない。

「だっだめって、いうっかぁ……っそのぉ…っあの、えっと、」

「……月希が嫌なら、しないけど」

 少し悲しそうに俺を見つめ、俺はなにも言えなくなる。

「い……いやじゃ……な、い……けどっ! そ、その…こ、ここ……学校、だし、外、だし……だ、誰か来たら、ハズ…かしい、し…その………………ど、どっちかの家、がいい……」

 言ってる自分の声が小さくなる。なに言ってんだ俺、恥ずかしい。

「……そう」と優貴は言うと、俺の身体を起こす。

 あっさりと優貴が俺を起こしたことに拍子抜けして、俺は「え」と顔を上げて優貴をまじ まじと見つめる。

 優貴は人差し指を俺の口元に当てて、優しい笑顔で俺を見つめる。

 その顔をそらすことが出来ない。

 俺の口元に当てていた手を優貴はゆっくりと俺の手に重ねる。

 ほぼ無意識にぎゅっと手を絡め合って、手を握り合う。

 ……優貴の手って、大きいなぁ……。

 大きいからだろうか、すごく恥ずかしいのに、とても安心して、それでいてどきどきして、 嬉しいと感じる。

 ……優貴だから、かな?

「……優貴?」

「……じゃ、行こっか」

 優貴はにっこりと笑って俺の手を引きながら歩き出す。

「……え?」

 どこに、と言おうとして俺はきょとん、という顔をおもむろにしていたと思う。

 また優貴はにっこりと笑って俺と目線を合わせる。

 目線が交差して、俺は無駄に恥ずかしくなり、顔が熱くなるのを感じる。

.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ