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□バレンタイン企画※2
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蒼柚
「……」
「……? どうした、柚葉」
俺は、目の前のチョコの山に絶句。去年もだったけど、去年以上な気がするのだ。
瀬口くんの……蒼太の、チョコをもらう、数が。
……やっぱり親衛隊もあるし、後輩もいるしやっぱ必然的に増えるのかな……。
――別に嫉妬なんかはしてない。蒼太に嫉妬なんてしてたら、俺の身が滅びるくらいモテるし。
「……何でもないよー」
まぁ、蒼太は蒼太で喜んでるし、いいけどね……。
なんか、でもさ?? ほら、男として? 悔しいって言うか?
ねえわかるよね??? 分かるでしょ???
「はぁー……」
この複雑な感情誰か分かって……。
「呼びましたか!?」
「!?」
俺は毎回毎回これでビビるんだけど、今回はそれ以上だ。俺の独り言聞かれた……!
そこには親衛隊隊長さんがいて、にやにやと俺の方を見てる。
くそ……一生の不覚……。
「そーんな、城崎くんに、良い物あげます」
「え……な、なに」
また俺の総受け絵と同人誌じゃないだろうな。
俺のHP削るものじゃないよな。
「じゃーん♪チョコレートー♪」
てれれれってれーん♪みたいな効果音を言いながら取り出されたのは、普通の板チョコ3枚と、ちょっと高級感溢れる紙に包まれたチョコだった。
「……ナニこれ?」
…………いや、なんかいやな予感しかしないんだけど。
「これ、媚薬なんですよね。市販のなので安心して下さい❤」
「……いやいやいやいや」
これを俺にどうしろって言うんだよ!
「え? 城崎くんが食べて淫乱になるのも良し、瀬口くんが食べて襲われるのも良し、はたまた二人とも食べてエロエロイチャイチャするのも良しで、溶かした板チョコを城崎くんのからに塗りたくってなめられて感じてくれればもう最高でs」
はぁはぁと息の荒い隊長が近づいてきて、颯爽と逃げる俺をくすり、隊長は笑う。
「あーーーーーーー聞こえない聞こえない!!」
「……まぁ、そう言ってられるのも今のうち、ですけどね?」
「はぁ? しない! から!! 絶対に!!!」
俺はそこまで性に貪欲じゃないから!
俺を変態扱いするな!
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