こちら暁学園、隠れ腐男子です★
□第四話……男は誰しも狼なんですよ?
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「…………ッ!」
「それ、マジで思ってたんなら、俺からありがたい一言を忠告しとこうか」
マジで思ってました。ごめんなさい。以後気をつけます。
「――男は誰しも狼なんですよーっと」
「そ、それでさりげなく、ふ、ふ、ふ、ふ、服を脱がせようとするなああああああ!!!」
必死に抵抗をする俺に、和葉は唇を重ね深いキスを、した。
その熱く深いキスに俺は抵抗する力が抜ける。……悔しいけど、和葉とのキスは気持ちいい、と思う。そのキスに何度翻弄されたか、もう俺は覚えていない。
「……かず、は……ぁ」
「葵、可愛い」
「ん、んー……」
力が抜けた俺に対して、和葉は不敵な笑みを浮かべる。その表情にすらも、どきっとしてしまう俺は、たぶん惚れた方の弱みなんだろう。
――そんなただ一つの仕草でさえ、俺を翻弄させるには十分なくらい、俺は和葉のことが好きなのだ。……認めたくないけど……。
「……葵? マジで俺とシたくないんなら、ちゃんと抵抗しろ」
「…………ッ」
固まった俺を見た和葉はくすり、と笑う。その顔は意地悪な顔だった。
「……それは肯定とみなすかんな」
「……か、勝手にすればっ」
「はいはい、全く素直じゃないですよねー葵は」
そんなとこも好きだけど、なんてにやにや笑いながら和葉は俺を見つめる。その顔はいつもみたく意地悪な顔だったけど、それでもなにも言えなくなるくらいには、格好いいと思ってしまう。
本当、惚れた方の負けって言葉は本当なんだなぁ……。
ギシッと体重をかけたことにより鳴り響くベッドの音が、やけに大きい。その音で俺は十分真っ赤になる。
和葉の顔が俺の首筋に近づき、いくつものキスが注がれる。その中には、甘噛みされたり、なめられたりして少しくすぐったい。思わず身をよじると和葉が肩に体重を乗せてくる。
「んふぅー! んんー!」
「……色気のねー声」
くす、と笑いながら和葉は俺を見る。なにか馬鹿にされたようで俺は癪に障る。
「うる、さっ! お、俺の声なんて聞いてもキモいだろ!」
「分かってないなー葵は」
葵だからイイんだろ、なんて和葉は笑う。なんだよそれ! なんて言おうとしたら、和葉は俺の服の上から、その……胸の辺りを口に含んで、俺は思わず両手で自分の口を塞ぐ。塞がなければ、なんか声が出ていたような、そんな予感がしたからだ。
「……声、我慢すんなってーの」
「…………ッ!!」
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