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□翡翠の薔薇 3
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「…そして、ギロチンかよっ!?;」




そうだ、そうだった!;



忘れてたっ!;




まだ”イヴ”は降ろす時じゃないな…





イ「………」




ほぉらあ…”イヴ”やんが怖がってるやないの〜




そりゃそうだよね…、だって進んでいくにつれてギロチン上がってんだもん…




ここは、最初っからいっきに突っ走る!






「”イヴ”〜、ちゃんとつかまっててな〜?」






ダダダダダダダダダ・・・・・






横目で絵を確認しながら全速力で走る








…あ、ギロチン見えなくなった















・・・やべぇ




















ドオォォンッ












「のわっ!!?;」







最後は勢いをつけて飛び込み”イヴ”を庇って階段を転げ落ちる








「………”イヴ”、大丈夫か?」





イ「…うん……」





大丈夫じゃないでしょ”イヴ”ちゃん;


顔真っ青よぉ〜?




…まぁ、自分も相当疲れた顔してるんだろうけど






「そぉらっ!」






イ「わぁっ!?;」





”イヴ”を腕に座らせ抱っこ☆



腕力なめんな九歳の女の子くらいは持てるわっ!(3分でギブ…





「よぉし、このままぐずぐずしても進まないから行こうか!
”イヴ”は疲れたら言いな?
またこうやって休ませてあげるからなー♪」










ヒュンッ









「「っ!!?」」






目の前を黒い影がものすごい勢いで駆け抜けていった





「………あれは陸上マラソン大会の世界王者だよ、”イヴ”」





気を紛らわすために適当に言っておく





通路は特に何もなく、ドアまで来た






「お、紙があるけど何か書く?」





イ「うん」




すると”イヴ”は腕から飛び降りて紙に何か書き始めた



飛び降りたのか…凄まじいな、少女よ…




「何書いたの?」




イ「あとに来た人の為にアドバイスを書いておくのっ」




「お〜、えらいえらい」なでなで





そしてオレも一言…










”布団に火を近づけると、、、




萌えます”






イ「…字違くない?」





「あってるあってる、さぁ先に行こうか」






扉を開けると上品な赤い部屋






イ「”うん”?」





「こっちは”あ”だ、阿吽の呼吸ってヤツだね」





そして”うん”の奥へ





イ「”心の音”?」






ドクンッ





イ「っ!?」





驚いてる…可愛い…(殴






イ「あ、ドアだ」






ガチャガチャッ





イ「開かない…」




「鍵探すのかぁ〜…」






あぁ…匍匐前進…








そして”あ”の奥へ






「”心の傷”…、ねぇ…」




あぁ…昔を思い出すわ…





イ「わっそい…?」




「さぁ、行こうかイヴ」




イ「…?」




「”赤い服の女”…」




イ「綺麗な人…」




「あ、やっぱりそう思う?」








パリィンッ








イ「っ!?」





「いぎゃああああああああっ!!?;」






話してたらいきなり女性が、…女性があああああぁっ!!!(泣





反射的に”イヴ”を抱き上げ走っていた






イ「あ、わっそい…鍵がある!」





「なぁにいっ!?;
…”イヴ”鍵を取ってきてくれるか?」




イ「え、でもわっそいは…?」





「時間稼ぐよ、大丈夫、オレ足速いから♪」





そして”うん”の所で”イヴ”を降ろしその場で少し隠れてもらう







「はいはいはぁあ〜いっ☆
あなたのお相手はこのオレ様ですよぉ〜♪」





女の前に出て薔薇を見せる





『ぎしゃあああぁっ!』





「ぃよっしゃきたあああぁぁ!!;」




女が目の前の薔薇に夢中になっている隙に”イヴ”が鍵を取りに行くのを横目で確認した





そして”イヴ”が鍵を持って戻って来たら”心の音”の方へ自ら走る




『しゃああぁ…』




じりじり・・・





「おはようお姉さん、今日は何色のブラですか?」




まだか”イヴ”、…まだか…っ





イ「わっそい開けたよ!」





「よっしゃオーケイっ!
イヴ、先に入って確認してくれ!」




よし、今だ!





ガッ





『!?』






額縁を掴んで飛び越える




そのままドアへ一直線…







ガシッ







「ぅうぇいっ!?;」





『しゃぁぁぁぁああっ!』




やべえええええええっ!;




やべええええええええええっ!!;





足首捕まったあああああああっ!







ドアを目の前にして右の足首を捕まれてそのまま転んでしまった







「ちょ、まじかよっ!;離せ…」








みしっ・・・






「…っ!?;」




女が手に力を入れると嫌な音がした


花弁が2枚散った






イ「わっそいっ!」






「…離せこのレッド!!」






ばきっ





『ぎゃっ!』




空いている左足で蹴り飛ばし素早くドアに向かう





バタンッ   ドンドンドンドンッ!





ドアを閉めた瞬間、背中にあるドアがものすごい力で叩かれた





「………、ふぅ…」




音も止み、一息ついてその場にずりずりと座る




イ「大丈夫わっそい?」





「おぅ…、一件落着だ(キリッ」





心配して顔を覗き込んできた”イヴ”の頭を撫でる







あぁ〜、まじで怖かったマジで冗談抜きでもうリアルやだぁぁぁああああっ!(涙






「…本しかねぇのな、何かねぇかなぁ?」





立ち上がった瞬間、右足首に激痛が走った






「……クッ!」




イ「…わっそい、大丈夫?」




「…あぁ、問題ねぇ…少し休憩しただけだよ」




二手に分かれて本棚を調べる事にした




オレは前の本棚、”イヴ”には後ろの本棚を任せた





左側へ移動する




「んー、何か本は…」




歩くたび足首が猛烈に痛い…




あのレッド、どんだけ力あんだよ…;





”キャンバスの中の女たち”




あぁ、ドアは開けれないのね、はいはい(スルー




もうないか…右側は…、








ぱらっ





「…?」




紙切れですかぁ…






” た の し い ? ”









うふ…




たああああああああああぁぁぁぁあぁのぉぉぉおぉぉぉおおおおおおしいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃい………っ!!」びりびりっ





イ「わっそい何かあった?」ひょこっ





「んー?あー、さっきの女の人たちはドアを開けれないって書いてあったよー
そっちは何かあったのー?」爽やか…






イ「こっちはこの絵本しかなかった…」





「見てみようか」






動く絵本




”うっかりさんとガレッド・デ・ロワ”






『お誕生日おめでとう!』




『ありがとう!』




『今日は あなたのためにガレッド・デ・ロワを作ったの!』




『なにそれ?』




『このパイの中にコインが入っていて…
食べたパイの中にコインがあったら…
その人は幸せになれるのよ!』





『おもしろそう!』




『でしょ?』




『じゃぁ、切り分けるよー!』






「………」




あはん、これはいつ閉じようかな?






『さぁ、好きなの選んで!』




『いただきまーす!』




『もぐもぐ…』




『あっ…!』





『どうしたの?』




『なにか固いもの…、
飲み込んじゃった!』





『あはは、うっかりさーん!』




『きっとコインだ!』




『どうしよう…』




『コイン小さいから大丈夫よ
じゃあ、片付けてくるね!』






「……」



そろそろ閉じるぅ?







『ママどうしたの?』




『書斎のカギを知らない?』



どうする?




『しょさいのカギ?』



フラグが立ってきた…



『それならいつもそこのテーブルの上に………あれ?
コインだ……このコインたしか…パイの中に入れたハズなのに…もしかして……』




『どこ行ったのかしら…お父さんに怒られちゃうわ…』




やべ、そろそろ…



『どうしよう…』




ーーーカシャンッ






「はぁい、ちょっと失礼イヴちゃ〜ん;」



”イヴ”の目を塞ぐと




『わたしってばうっかりしてたわ』




ーーーザシュッ




『カギみつけたよ!今ドア開けるね!』







イ「……わっそい、今の…」




ガチャッ





「………さ、行こうか?」




絵本を本棚にしまい”イヴ”の手を引く






「さぁ、どちらに行きましょ?」




イ「うーん、右!」




「はいよー」




右に行くと…










………腐ったマッシュルーム?」





巨大なきのこ…(殴







イ「人…?」





「大丈夫ですか?」





?「…………うぅ……」




わ、青白い…これは早く行かないと行けませんねぇ…




イ「わっそい、どうしよう…」




「落ち着いて、イヴ」



仰向けに寝かせて


畳んだ上着を持ってきた本の上に敷き枕代わりにする




…あ、イケメン…(殴


「ちょっとこの人のこと見てあげてくれ、なにかあったら直ぐに叫ぶんだぞ?
この人は美術館で会った人だから不審者じゃないよ」




手に握られている鍵を奪い取る




「起きた時に一人でこの空間にいるって思うと大人でも辛いんだよ、だからいてやってくれな?
この人が起きてから三分以内で直ぐに戻って来るからな」



”イヴ”の意見を聞いてあげたいが時間が無い、


頭を撫でると”イヴ”は何か言いたそうな顔で見てくる



「ごめんな、あとでちゃんと聞くから
直ぐに戻ってくるよ、約束だ」



申し訳ないが返事を聞かず直ぐに走って行く





「…ぅっ!」



右足首が悲鳴を上げるがそんなこと気にしている暇など無かった






バタンッ





勢いよくドアを開けると、直ぐ目の前には小部屋に右には花瓶




迷わず目の前の小部屋に向かう




「………」




扉の前に真新しい血と青い花弁が散っていた





「…青い薔薇って」





意を決して鍵をまわす






「綺麗だよね…」




その勢いのままドアを開け部屋に入る





「フライパンで炒めてみたい…」









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