パンドラハーツ short

□風邪
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あぁ、何か考えなきゃいけないのに頭が痛くて考えられない…

身体がだるくて起きてるのがキツイ…

吐き気がして気持ち悪い…

でもバレたら面倒くさい


ブ「キル、…キル?」

「………」

コツッ

「うっ…!?」

考え事にふけっていたら額を小突かれた
グワンと一際重い痛みが響く

「……なんだよっ」

ブ「キル、さっきからぼっとして変ですよ?
顔色も悪いし…熱でもあるんですか?」

「熱?ないない」

何を言い出すんだこの男は

バカは風邪をひかないというだろう

「さぁて、少しお買い物でも行って来ましょうかねー」

もう体力が限界、その上気づかれたら面倒なのでそそくさと部屋から出る


ブ「待ちなさい」


グイと腕を引っ張られた
急に止まった事で頭に鈍い痛みが響く、足に力が入らずそのまま後ろに倒れた
受け止められた感覚を感じそこからの記憶はない














誰かの手が頭を撫でている


何だか心地良い…


その手は頬まで降り手を当てた


「…つめたい……」


その手に自分の手を重ねる


ブ「オヤ、起きましたか?」


瞼を上げると紅い眼と視線があった


「んー…、今何時?」


ブ「ちょうど一時ですね」


「何してたんだっけ?」


ブ「朝急に倒れたんですよ」


言われて思い出した


「んー…、そっかぁ…」


頬に当てられた手を両手で包み反対の頬に当てる


「きもちぃー…」


それから熱を測れば39.2℃


ブ「全く…どうしてこうなるまで無理したんですか」


「知らんー…」


ブ「知らないじゃないでしょう」


「ケビンー…」


ブ「何ですかレイン?」


腕を引っ張れば上体を近づけてくる

それを狙って首に腕をまわし自分のベッドに引っ張った


ブ「なっ…!?」


「寝よー…?」


顔を胸にうずめる


最初は戸惑っていたブレイクだが、そのうち諦めてベッドに入ってきた



ブ「…いいデスヨ、ですが後でどうなっても知りませんよ?」


そういって抱きしめてくる


「んー?、別にいい…ケビンだからいいんだ…」


抱きしめ返し、少し意地悪したくなって首筋に唇をあてる


ブ「…本気で襲いますヨ?」


声に余裕がなくなってきた、けどそれが楽しくてつい笑ってしまう


「どうせ今は襲えないでしょー?」


からかい過ぎたかな…?





ーーーギシッ・・・




ブ「試してみますカ?」



からかい過ぎました…



覆いかぶさってきたザークシーズは唇を厭らしくなぞる



「…ぇ、っと……今は………ぅっ!?」



唇をなぞっていた指が開けた口を狙って中に入ってきた



ブ「今は、何デス?」



やばい、本気でやり過ぎた…



そう思い覚悟を決めたが、指はすぐに口から出された




「…ケビン?」



ブ「流石に今は襲いませんけど…」





横に寝ると抱き寄せられ口を耳元に近づける





ブ「私が男である事をお忘れなく…」





耳に息が吹きかかってくすぐったい




「……っ!」






何度も角度を変え唇を啄ばむように重ねられた




いきなりのことで酸素が足りない





「…はぁ、…ちょっ…と……っ」





ーーーちゅっ…





そして最後にわざとリップ音をたてて濡れた唇を一度舐められ離れた




ブ「おやすみなさい♪」




…いや、寝れねぇっ;




「………、」




あ、そっか…






ーーーちゅっ…





ブ「っ!!?」





「おやすみなさい♪」




左眼から唇を離す際にリップ音と一舐めリする事を忘れずに、かき上げた前髪を戻した




そしてさっさと胸に顔をうずめ抱きつき寝る





ブ「………」





ザークシーズがその日ずっと理性と戦っていたことは予想の範囲内だからつい笑ってしまう











おまけ

シャ「まぁ、なんてロマンティックな…!」

オ「やっぱり付き合ってたんだね、もうラブラブじゃん♪」

ア「あのピエロー!今すぐキルから離れろー!」

ギ「よ、夜にブレイクがキルの部屋に行くって事はつまり…///;」

エクエスの能力でその様子を見られている事などその時は知る由もなく
後日散々に追い詰められいじられたのはまた別の話…
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