I B 短編

□本音の玉:さいご
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「……帰りたい(切実」



ベッドにイヴと横になりポツリと本音が出た


隣のイヴはまだ起きる気配はない



「…ベッドにダイブしても起きなかったもんな」



実際にベッドにダイブしたのだがイヴはその反動で浮いても起きなかった



「…イヴー起きてよー、寝すぎだよー?
お日さま5回くらい昇って沈んだよ?(※嘘)
ギャリーが変なんだよー
危険だよー(特にギャリーが)
ギャリーが突然ワカメ大国築いちゃったんだよー
………疲れた」



起きてほしくて話しかけてみたが起きてはくれない



「……散々走ったんだよー…」



棒読みでもいいから褒めてくれよイヴ…


……もういいや…疲れたから寝よう…




「…おやすみ」



瞼を下ろすと簡単に睡魔に飲み込まれた








ーーーーーーーーー






灰色の寂しい通路に一つの足音が響く


足音はしばらく歩いて部屋を見つけるとドアを開けては次の部屋へ、またドアを開けては次の部屋へ…


そうして奥へ進んで行く


通路の終わりに来ると一つずつ部屋を調べることが面倒になったのかそのまままっすぐ、正面のドアを開けて足音は消えた




一方コッペパンの眠る丸い部屋


丸いベッドで寝ているイヴとコッペパン

ぱちりとイヴが目を覚ました

コッペパンには目もくれずベッドから下りると部屋を出て正面の部屋へと入ってしまった




そしてイヴと入れ替わりのように部屋から出てきた足音

足音はまっすぐに来た道を戻る


そして、イヴが閉め忘れた部屋へ


部屋の奥にいる人影を見つけるとまっすぐに向かった






ーーーーーーーーーーーー



夢がだんだんと薄れてきて微睡みの中、聞こえた物音


でもその音が夢の中のものなのか現実のものなのかわからない


腕を動かしたことを意識ではわかっているが頭は夢の中



ーーーそろそろ起きなきゃな…


そう思うものの夢からなかなか抜け出せない


半分夢を見ている中で足音を聞いた


遠かった足音が近くなって止まったことでようやく重い瞼を上げる


「……ん…?」


ぼんやりとした視界に顔を顰めるとギシッ、とベッドの軋む音


その音に一気に思考が覚醒して見えたのは壁


後ろを振り向くと姿が見える前に誰かの手が口を塞いだ



「ンンッ!?」



肩をベッドに押し付けられ逃げられないように覆い被さる


相手を見ると丸い天井を背景に覆いかぶさってきたのはギャリー



「ーーー!」



驚きに固まっていると口の端を吊り上げたギャリー


一度舌舐めずりすると手は下へ、顔は首筋へ………




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