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□翡翠の薔薇 14
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???side








愛しの彼女を追った先…





ボクが用意した部屋には入らなかったけど…




でもそれも予想の範囲内でさ…





どうせ彼女が入ってこないことなんて容易に考えられた






部屋の前





恐怖で震えてもう限界だと嘆く彼女が愛おしくて愛おしくて







…そう……その姿が見たかったんだよ…
あぁなんて美しい…!
もっと嘆いて、泣いて、啼いて、泣き崩れて絶望に顔を歪めて!
その時こそ美しい!!






『…ケタケタ………』






彼女がこっちに来るのももう少し…




愛おしい…






『なにがムリなんだい?』





声をかけるとびくりと反応する彼女





そして恐怖に震えだした




愛おしくて足元に転がっている彼女に触れる





『もう疲れたのかい?』





せっかくの美しく歪んだ顔を隠してしまってはもったいない





髪を梳くと予想通りの恐怖に怯えた顔がのぞいた






『ゆっくり寝ようね』








ぱちん、とスナップを1回








途端に仰け反りガクガクと震えだした彼女




涙を流しながら目を見開いて



悲鳴をあげようと口を開き



だがその口からは空気すらまともに出ない








『…ケタ……美しいよ…わっそい…』






胸に耳を当てて彼女の声を聞いてみる







(こわい…)







その一言に笑みが漏れた





愛おしい彼女にキスでもしてあげようと離れかけたとき








(ギャリー!)











『………………… その名を呼ぶなっ!!」









どうしてボクはいないんだ!?





あの男のことなんか考えるな!






ボクだけを見てろ、僕だけを考えてろ、そして恐怖に怯え震えていれば良い!!





アイツの事を考えるなんてアイツの名前を呼ぶなんてアイツに触れるなんて許さない!






許さない赦さない許さない許さない赦さないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないユルサナイ!!!









乱暴に彼女の唇に噛み付いた




強く噛んで、噛んで噛んで噛んで噛んで噛んで噛んで




逃げる舌が気に食わなくて噛んだ




ガリッとした感触に鉄の味が広がる




でも甘い味が臭いが満たしていった






彼女はボクだけのものだと証明するためにその華奢な身体に手を這わせ、




上着を肌蹴させ右肩に手を押し付けた










ーーージュウウウゥウゥゥゥゥ……










焼ける音と焦げる臭い






暴れだす彼女の頭を押さえつける






「ーーーッ!!? ーーー!! −−−−−!!!」





押さえつけている手を彼女の左手が引き剥がそうともがく



苦痛の悲鳴をあげる彼女の声は僕の口の中に響いて気持ち良い





赤く、それから黒くなった彼女の肩





綺麗に自分の印をつけられたことにとっても満足した






上着でそれを隠して最後に長く一噛み





すっと離れると苦痛に悶絶する彼女





束縛がなくなった彼女の身体は大きく痙攣して右肩を押さえ髪が乱れていく






そしてガックリと動かなくなった








『おやすみ…』



















???side終了
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