I B

□翡翠の薔薇 1
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いつもなら重くてゆっくり上げる瞼が軽かった


久しぶりの良い目覚めが映したのは毒々しい色で埋め尽くされた独特な絵



「・・・・・ん・・・?」



何だこれは?





周りを見ても絵しかない


それらの絵を見ている人達…




「・・・ぇっ?;」



これは夢かな?

だって寝たはず…デスヨネ?;(←混乱



もう一度目の前の絵を見てみる



「…吊るされた男、って…」



絵の題名に一瞬で思いついたもの



「IB…?」


確認するために移動する事にする



「うん…」


見覚えありすぎる絵の数々…


一階に下がり、受付に行ってみた

カウンターの直ぐ近くにパンフレットが置いてあったから一枚取る




「ゲルテナ展覧会…」


やっぱりIBでした(・U・)


でもなんでIBの夢?

あぁ…、寝る前に友達とIBの話をしたからか…


こんなチャンスがきたら…




「ワカメはどこにおられますかなぁ?」



ワカメ探しへGO!






ゲームでは吊るされた男の前にいるんだけどそこは最後に残しておこう…


他の作品の前にいる姿も案外イケるかもしれない…



適当にほっつき回っていたら薔薇の前に来た


そこには見覚えのある赤い子が…




「あの子は…」





確認する前にそれよりも薔薇の作品を見たい衝動が大きかった



「うん…生で見たほうが魅力的っすねぇ…」


生で見る精神の具現化の作品に見惚れ尽くす


よし、じっくり見た事だし女の子を確認しつつ次に移ろう…




ドンッ




「ぅわいっ!?;」




?「きゃっ!」



振り返ったら何かとぶつかって変な声を出してしまった


相手はどうやら女の子らしい



「あぁっ、ごめんね!大丈夫かい?怪我はない?」


女の子を見れば茶色い髪に紅い目


?「あっ、はい
お兄さんこそ大丈夫ですか?」



"イヴ"だぁぁぁあ!!



(イヴの”ヴ”にアクセント)



幼女だ、美幼女だうわああああああああい!!!(←変態発動


「お兄さん……?;
大丈夫だよ、ありがとう」


そして美幼女はぺこりとお辞儀をしてどこかへ行ってしまった


「……はぁ、予想以上に可愛い♪」




自分は無期懲役の刑がくだると思う




それにしても、”お兄さん”って…



そこで自分の服装を確かめる



「はーっはーん?」





服はいつもの外出用の服装



肩紐のクリーム色のタンクトップ



その上に黒のワイシャツ



明るめのネイビーのジーンズに白いベルト



茶色い革のショートブーツ



伸ばした髪はお気に入りの黒帯の青の帽子でしまってショートヘアーにしている



さらしもちゃんと巻いてある



ホストな感じの服装



そしていつも肌身離さず持っているウサギの簪をさらしに挿してある







「……ん?」




脇腹の辺りに違和感を感じ探ってみるとさらしに鋏がしまってあった





え、鋏?なんでこんなもん持ってんの?



しかもあの古風な感じの西洋の造り…



雑貨店から買ってきたのか?盗ってきたのか?



オシャレなデザインだな…


まぁ、いいや…



そしてまた鋏をさらしにしまい何事もないように装う




「今のワッタシはお兄さんー♪」



(美術館なので小さく)歌いながら


ワカメを見たい衝動に駆られて二階へ向かう








「いた、いました」



二階のつるされた男の前にいました




何だろう……綺麗なワカメだよな…




「あのワカメは相当凝ってる…、作り方教えてもらいたいものだ」




やっぱりコイツは人間というより、


絵だよな



ゲルテナの作品と並んだらいいと思う



無個性達と並んだら違和感ないな……








「……………」






…はっ!



こんなに見ていたら不審者みたい!?



他の絵をっ、他の絵をっ…ワタシの近くに何か作品をっ!(焦



「…移動しまひょー」ぼそっ




くるり     ドンッ





?「きゃっ!?」




「のわっ!」




また誰かとぶつかっーーー







「………あ、少女…」



?「あ、さっきのお兄さんっ!」




また美幼女と接触!!(殴




もぅ〜、上目遣い可愛…(蹴




「さっきもごめんね、大丈夫かい?怪我は?」



?「はい、大丈夫です、ごめんなさい」ぺこり



やぁんもう〜!良い子っ!(←変態

(興奮すると時々オネェ口調になる癖)




「大丈夫さ、ほらお母さん達は?」



視線を合わせ頭を撫でながら優しく問う




?「下の階にいます」



「そうかい、お母さん達が探してると思うよ?
お行き、くれぐれも不審者には気をつけるんだよ?」



「はい、またねお兄さん」



美幼女は下の階へ去って行った



あんなに小さのに美術館にやってくるなんて…英才教育恐るべし




「ぃよっこらしょ…、あぁ〜腰いってぇ〜っ」



立ち上がり腰を叩く





「………」




?「………」




なんか…



紫のメッシュ入れておる方と



思いっくそ目がかち合っておる




「………ど、どーも…?;」



「…ぇ?あ、あぁ…;」



とりあえず軽く会釈して階段へと逃げる







「〜〜〜っの、くっそワカメ〜…っ!」




一階に下りて小さく愚痴をこぼす





ちか、ちかちか




「………あんれ?」





気づけばBGMは消え人の気配もなかった…










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