パンドラハーツ short

□風邪
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朝、今は冬、雪も降っている

「………いたい…」

いつもの時間に起きたのは良いが、何だか身体がだるくて頭がキンキンと痛む

「…まぁ、朝から雪が降っているのだからそりゃ冷えますよな」

寒さのせいだと思いふらつきながら着替えた



「………ふぅ…」

廊下を歩きながらやけに寒すぎるような気がした
寒さのせいのわりには何かがおかしい、
そう思うが何なのかわからない

ふと足を止めればいつの間にか扉の前にいた

この扉の奥の部屋では今日もお嬢様はお茶をしているだろう
そこにはいつものようにあの賑やかな三人が集っていてそれをあいつがちょっかい出している事だろう


いつものように何事もなく過ごしたいからバレないように隠そう…


「オハヨウゴザイマスー」


いつものように胡散臭い笑顔を貼り付けて扉を開けるとやはり予想していた風景があった

オ「あ、キルちゃんおはよー」

オズ君に軽く挨拶した後お嬢様のいるテーブルに腰掛け朝食代わりのケーキを食べる

いつもなら難なく10皿以上は食べれるのに今日は最初の一口から限界だった
なんだか気持ち悪くて口の中に入れた好物のチョコケーキがなかなか飲み込めない
やっとの事で飲み込んでも逆流してきそうな感じが残る

紅茶でさえも戻ってきそうだ


もう食べれないからオズ君達で遊びますかねー…


その時、手に持っていた皿が急に軽くなった


「あれ…?」


手元の皿にあったチョコケーキが跡形もなくキレイさっぱりなくなっていた


ブ「〜♪」


考えなくてもこういう行動をするのは目の前のコイツしかいない


「………」じー


食べる気がなくても好物を勝手に食われるのは怒る


穴が開くほど嫌味を含めた視線を送っていたが当の本人はこちら見ると笑顔でブイサインするだけ


「……はぁ、」


もういいか…、
食べれる感じはしないけどここで食べなかったら様子が変だと疑われる


次のチョコケーキに手を伸ばす


ブ「オヤ、どうしたんです?
いつもなら怒るのに今日はやけに静かじゃないですか」


ギクッ


「ハハッ いつもと変わりませんよ、ただもういい歳なのでこんな事で怒るのはやめただけです」

ブ「そういえばそうですネー、もうキルは70過ぎたババァなんですネー」

「あっはっはっ、いやだなぁ☆
そんなこと言ったらザークシーズだって70過ぎたクソジジィじゃないですかー」

ブ「それにしてもよく食べますねぇ、もう歳なのに」

「ザークシーズもよく糖尿病にならないよねー、早くくたばればいいのに」

シャ「二人ともおやめなさい」ブラックオーラ全開



もしお嬢様が止めてくれなかったらこの言い争いはいつまでも続いていただろう

もうこれ以上食べ物を口にしたら吐いてしまいそうだ

大人しく縮こまっているとオズ君たちもお茶を始めた


オ「そういえばさ、ずっと気になっていたんだけど…」

「?、何でしょう」

オ「ブレイクとキルちゃんって付き合ってるの?」


いきなりなんという爆弾発言を落とすんだこの子は


ギ「オレも気になっていたんだが…」

ア「何だ?そうなのか、キル?」

まぁ特に隠すことでもないのだが、、、

ほら、なんか言いたくない気分とかあるじゃん?


「付き合ってませんよ」

否定すれば何か一つでも文句はくるだろう

チョコケーキを口に運ぶ

あー、気持ち悪い…

ア「ふん、そらそうだろうな」

オ「えー、なんだぁ…」

ほら、文句きた

オ「でもオレ絶対付き合ってると思うよ」

まだ食い下がるか…

「付き合っていません、だいたい誰があんなバカを好きになるんですか」

ブ「それに誰がキルのようなアホを好きになるんでしょうネー」

ギ「随分な言い様だな…」

シャ「あら、私も二人は付き合っているのかと思っていましたわ」


それを聞いたオズ君は目を輝かせた

なんだこれは、女子会か?

オ「やっぱりシャロンちゃんもそう思う?
なんか二人は仲良いしやけに距離が近いよねー」

あ、これはまずい…シャロンお嬢様は何を言い出すかわからないから危険ーーー

シャ「私も幼い頃から夜ブレイクがキルの部屋に行くのをよく見たのでそうだと思っていました」


ほらね、危険でしょ…


ギ「なっ、そうなのか!?;」

あー、ギルバート君にこの話は早かったかな
彼まだ初心だから


シャ「時々キルがブレイクの部屋に行く事もありましたけど」


「お、お嬢様…?一体何を…」


どうしよう、何か言い返さないとこのままだとまずい…


オ「えっ、なになに?二人ともそこまでいってんの?」


オズ君はガールズトークが好きなのね…
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