Pandora HeartsーLongー


□止まった秒針
1ページ/3ページ




ーーーーーーーー


人形がいっぱい置いてある
あぁ、ここはワタシの部屋だ


?⁇「紅〜、ちょっと下に来なさい」




あぁ、懐かしい声




「はぁい、なぁに?お母さん」


母「あのね、紅に会わせたい子がいるの

ヒカリちゃん、おいで」


あぁ、この日の事か


?⁇「………ど、ドゥも…;」


「こんにちは!あたしコウって言うの、よろしく!」


?⁇「…ぁ!ぇ……ぇと!ワタシは……ミズノ ヒカリ…!よろしく……!」


あぁ、こいつは


なよなよしくて、弱虫で泣き虫で内気なヤツ………


そして、ワタシの大切な…



母「ヒカリちゃんは今日隣に引っ越して来たの
ちゃんと仲良くするのよ?」


「はぁい!ねぇ、ヒカリちゃん、ワタシの部屋で遊ぼ!」


?⁇「……ぅん!」



………大切な親友



ーーーーーー

?⁇「紅〜?」

「んぁ?あぁ、悪ぃ
今行く」


これは中学の…
ひねくれたての頃


?⁇「……そういえばさぁー?紅」


「…ん?何さ?」

?⁇「最近思ったんだけど、私達の名前って変他の子達とわってるのね」


「……どうした?いきなり;」


?⁇「んー?何か…ふと思いついただけなんだけどね?
私は実豆野 光でミズノ ライトでしょ?」

「あぁ、お前よくヒカリって呼ばれるよな
小さい頃お前自身もそう呼んでたしな」

ラ「で、紅は
紅ーべにーって書いてコウって読むでしょ?」


「…まぁ…そうだが、どこか変わってるか?」


ラ「変わってるよ〜?
普通こう言う名前なかなか無いと思うよ 」


「…………お前、なんか言われたか?」


ラ「ぇ……?」

「いつもは考えないことを言い出す時は、それはお前の悩みだろ」


ラ「…………そうなのかな?
紅って鋭いね」

「お前が分かりやすいんだ、ライト」

ラ「…………」


「…でも、まぁ……」

ラ「……?」

「親が考えてくれた名だ
それだったら立派じゃないか
オレはお前の名前綺麗だと思うが?」

ラ「………!」

「自信を持て
お前の名前を貶す奴はそいつが汚れてるからだ
汚れたやつに何と言われようとただの戯言に過ぎない
名前があるのは幸せな証拠だぞ?誇りを持てない奴なんかゴミクズだ
背の丸まった奴をオレの隣においた覚えはない」

ラ「……紅は………強いね………手の施しようがないくらいに、捻くれてるけど」

「誰も強くはない、俺だって弱い
それと、オレは捻くれちゃいねぇよこれが基準だ」

ラ「…ぅん……うん…わかった……」


「……わかったなら泣くな
…オレの家に来い、クレープ作ってやるよ
好きだろ?」

ラ「……ぅん!行く!!」

「……それでいい、」

ラ「………何が?」

「ぇ!?…あ、いや……その………笑っていた方が、イイと言うか
…綺麗と言うか?……ハッ!?…ち、違う!…ぇっと……
わ、笑っていた方が隣に居やすいんだよ!分かるか!?この阿呆!!」

ラ「………!
…くすくす……うん、ありがとう紅」


ーーーーーーーー



ーーー懐かしい夢だな




?⁇「……ぉぃ…近……丈……か?…」



ーーー眠い




?⁇「……そんな………瀕………!…」




ーーー冷たい



?⁇「俺には……お前が………どう…み………よ?…」





ーーー寒い




?⁇「…わ……る……私が…………う…」




ーーーーーここは何処だ?





?⁇「……わた……も……任を……す!…」





ーーーーー誰かいるのか?




「………ぅ…ん?」


重い瞼を無理やり開けると、見慣れない天井が見えた



?⁇「…あ、起きたのね!」


そして、見知らぬ可愛い少女



「………………?;」


?⁇「ちょっと待てて、すぐに呼んで来るわ!」



そう言うなり、少女は部屋を出て行ってしまった



えぇーと、ちょっと待て

これはどういうことだ?

エクエスっぽい自称ユニコーンと契約して、
あれ?アレって違法契約?;
……ぇーと?
アヴィスから出て………………
確か寝ちゃったんだよなぁ…



「……っつーか、呼ぶって誰を?」


上体を起こしながら、まだ混乱する頭を整理しようと働かせる


あの少女は?
見た目的に7、8歳くらいの貴族っぽい女の子



………………ぃや、待て
あの子見たことあるぞ?

確か、ほら………パンドラハーツのブレイクの過去で………


……………ぇえ〜?(汗)
ちょっと待ってぇ?
ぇゑ?;すっごい似てる!
リアルでワタシの前に現れた感じ?(混乱中)


んな訳ねぇよなぁぁぁぁあ………
…これは夢だぁ〜…これは夢だぁ〜………

じゃぁ、あの子が呼んで来るのって………あのKから始まるレグナードさん?(混乱)


でも、まだ可能性だから………

……よし、あの子が呼んで来る人物に賭けよう!



(何かの)気合を入れるようにガッツポーズ

をしたところで足音が聞こえてきた

反射的に姿勢を正す


ーーーさぁ、誰か!?


ドキドキ


ガチャッ


さぁ、中に呼んで来たのはだr……


?⁇「ほら、"ケビン"早く〜!」トテテテ



ズガァァァアアアアン!!



ーーーぁぁぁぁぁああああああ!!;;;
少女よ!!(汗)

…なんと言う……!…少女よ…!(名前聞いた瞬間に脳内炸裂)


いや、まだアレだ!
ほら、容姿だよ!姿だよ!!
無邪気に駆けて来るこの幼い可愛いお人形さんみたいな子が連れて来たのはたまたま同じ名前かもしれない!



?⁇「…お嬢様、お静かにーーー」コツ


少し恐れながらも扉の方に視線を移す


中に入って来たのは、
黒い服に
何やら銀の盆?トレー?を持っていて
白い髪
そして紅眼


(脳内状況)


ヌ"ガアアアアアアアアアアアン!!!


バカヤロォォォォォォォオオオオオオオオオ!!!(発狂)

何と言うこった!!
予想的中!素晴らしい!!
じゃなくてだな!!;;

どうしよう!じゃぁ、ココはシンクレア家!?

ちょっと待て!
何故こんなところに!?
オレはどうやってここに!?

お話を聞かせろぉぉぉぉおおおおおお!!(((((@∇@))))))ガタガタガタガタ



?⁇「怪我はもう大丈夫なの?」

脳内で暴れていたせいか、少女が自分のすぐ近くにいることに気づかなかった

「ぅえ!?;ぁ、…あぁ、大丈夫?だ?(汗)」


ぇ?オレ怪我してんの?


?⁇「大丈夫な訳ないだろう、
お前は重症だ
まだ動くな」


「あぁ、そうなの?;」


へぇー、オレ重症なの……
頭が?


?⁇「ケビン、わたしお母さまたちにお許しいただけるか聞いてくるわ


そう言うなり、少女はまた部屋を出て行ってしまった


?⁇「あ、お嬢様!;」

「…わぁ…若いって羨ましい……」ぼそっ

?⁇「………」

オレの独り言が聞こえたのか、ケビン?
はジロリとオレを睨んだ


「!?;
……………」

いきなり睨まれて一瞬驚いたが、こちらも負けじと睨み返してやった

オレは相手が好きなやつでも容赦しない、もしろ売られた喧嘩も売った喧嘩もバッチこい‼︎

暫く睨み合っている時、最初に視線を外したのはケビン?だった


?⁇「………ふぅ」

ケビン?はドアを閉め、一息つくとベッドの近くにある机にトレイを置き、椅子に座った


机に置かれたトレイをみると、包帯やら消毒薬があったから怪我の手当てをしに来たのだろう



?⁇「おい」

ケビン?は真面目な顔をしてこちらに手を出し、オレに話しかけた

「……なんだよ?」

口調にイラっときてしまってついケンカ腰になってしまう

?⁇「右腕を出せ」

ケビン?は表情を変えず言った


「ぁ"?……ゲフンゲフン、えっと、そうか、悪いデスネ」

手当てをしてもらうのにこんな態度をとっては悪いと思い、無理矢理口調を直したが
やはり、どこか最後はカタコトになってしまう


右腕を出せば、けびん?は包帯を外していく


(ケビンのそっくりさんの手暖かいなぁー……羨ましい
……何かすっげぇいい夢…)


「……ぁれ?;」

ケビン?が右腕の包帯を外すと、何か刃物で切られたような深い傷が手首から肘にかけてあった
所々小さな黒いモノがついている

全く見に覚えのない傷を見て、間抜けな声が出てしまう


?⁇「…どうした?」

相手は真面目だが、心配そうな顔で目だけでこちらを見る


(…OH、カッコイイ)

「………ぃや、身に覚えがなくてな………げふん、ないんデス」

そう言うと、ケビン?は手の動きを止めた

?⁇「……記憶が無いのか?」


とても驚いた顔だ


「途中までは覚えているが、…イマスガ、何故ここにいるのかは解らないんデス」

オレがそう言うとケビン?は

?⁇「そうか…」


と、呟き手を動かし始めた
どこか安心したような顔だ

?⁇「…少し我慢しろ」

どうせ夢の中だから痛くはないだろう、

そう思って体の力を抜いた


しかし、
ピンセットが傷に触れた瞬間に、痺れるような激痛が走った

「……っ!?;」



痛い!?
何でだ、夢じゃないのか!?


再び頭の中が混乱するなか激痛が走る

「………っ‼︎」

やっと一つ取り出せたのだろう、
痛みが少し治まった

?⁇「…これは、あのチェインの棘か」

「………?棘?」

ぇ、この傷ってチェインにやられたの?(汗)


?⁇「あぁ、その辺りは覚えていないんだな

傷の手当てが終わったら話す」


取った棘をトレーの皿に置くと、こちらを心配してくれた


わぉ、紳士だね、ケビン


?⁇「大丈夫か?」


「……問題ない、このくらいどうってことはない」

わぁ、強がってるオレ!
紳士な相手に対して、ワタシはなんて礼儀がなってないんだろぅ!


?⁇「………」

すると、ケビンは何を思ったのか何も言わずいきなり傷の棘を荒々しく取った


ブチ、とイヤな音がする


「ぅぐっ!!?;」


先程とは比べものにならないくらいの痛みが走った

そのまま、何も言わず棘を荒々しく取っていく


「………っ、……っ!」


反射的に腕を引いてしまうが、手首をしっかり掴まれていてそれは叶わなかった

痛みに自然と息が止まり、呼吸が苦しくなる


棘を2、3個取ったところで、やっとケビンは手を止めた


「…ハッ…、……はぁっ」


自然と息が上がる

そんなワタシを相手は冷たい目で見た


?⁇「どうした?このくらい、どうってことないんだろ?」



……….ワタシが、悪いのだけど

ーーーこの鬼!!


「………っ、」

何も言えず、俯いてギリリ、と歯軋りをした

?⁇「………痛むぞ」


今度は最初のようにゆっくり棘を取り始めた


全部取り終わった時に言おうと、意気込んだ

「……………た」


謝らなきゃ……


そうわかっているのに、なかなか口に出せない


情けなくて俯いた


?⁇「…?、どうした?」


ケビンは包帯を巻き終え、俯いているワタシの顔を覗き込んでくる


「…!
わ、悪かった!と言っている、ノデスヨ!」

ーーーもう、やけくそだ


勢いよく顔を上げて若干逆ギレのような感じで叫んでやった

無理矢理口調を直して


言われた本人は唖然としている


?⁇「………」

「………」


ぁぁぁぁあああああ!!
恥ずかしい!ぼーっとしてないで何か言えよ!(汗)


暫くの沈黙の後、言葉を発したのはケビンからだった


?⁇「……ふっ、それでいい」


「………!?///」

笑った!?ぇ?ケビンが!?
笑った!!?
は、恥ず!?


?⁇「…?、どうした、熱でもあるのか?」


ワタシの顔が赤くなったことに気付いたケビンは
熱がないか額に手を当てて確かめる


ケビンなりには心配してくれているのだろうが、
こちらにとってはかえって裏目に出てしまっている

「…ぅ……わ…!?///
…いや、その……ダイ…、大丈夫、デス」

ぁぁぁぁあああああああ!!(焦)
ホントにこの人紳士だよ!;
しかも鈍感ときた!
生殺しダネ!!


⁇?「…そうか?無理はするな」


「は、ハイ///;」


ケビンの手が離れ、緊張から解かれた安心感と少しの名残惜しさを感じながら一息ついた
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ