shortSTORY 2

□☆気づいて欲しくて
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「ったく…朝から疲れた…」



和成はため息をついてる。




私はさっき自販機で買っておいた飲み物を和成の頬にあてる。



「なっ」


『お疲れ様っ。…スポーツドリンクあげるね』



今日も私の恋に貢献してくれたお礼っ



「……お前ほんと楽しそうだな」



少し…


複雑そうな笑いをしたように思えた。



『…え?』

「…なんでもねーよ。サンキュな」



スルリと手からドリンクが取られ、私は呆然と和成を見つめた。

いつも調子良い笑顔のくせに…


ふとあんな表情見せるんだもん…




「おい」

『うわぁ!?緑間君!?』


「…そんな驚くことではないのだよ。…教室行かないのか?」



必要以上驚く私に呆れつつ、靴箱に靴を入れていた。



『あ、行く!一緒に行こっか!』


「同じクラスだから普通に同じ方向だろう」



『そ、そーだね』


あー…

なんか上手く話せないよ…


和成が一緒なら、少し楽に話せるんだけどなぁ…



「…ちょっとジッとしていろ」



『へ!?』


急に緑間君の手が私の頭に伸びる。


「…動くな」



うー…


無理ー…

緊張…



ふと目線を上げると…


『花びら?』


「ついていたのだよ」



少し笑う緑間君に、さらに私の心臓はうるさく鳴った。


『…ありがとう』


どうしよう…
ドキドキが止まらないよ…



今までは話してるだけで十分だったけど…


少しだけ、欲張りになっている自分がいることに気付いた。



近付きたい。


もっと仲良くなりたい。


ただ、私一人じゃダメだ。



和成に…



相談してみようかな…



私はふとそんなことを思った。
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