shortSTORY 2
□☆マネージャー代理
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放課後。
私はさつきちゃんに体育館へと連れられた。
「みなさーん、少し集まってくださーい」
さつきちゃんの呼びかけに、ゾロゾロとバスケ部員が集まってきた。
緊張してきたぞ…
「おー、それが桃井の言っとったマネージャー代理かぁ?」
関西弁。
振り向くと、眼鏡をかけた目の細い男の人。
直感で
あ…この人性格悪い…と思ってしまった。
「ん?なんや、ワシの顔見た瞬間顔引きつったで?自分」
しかもするどい。
これは気を付けて関わらないといけないタイプだ。
「あ、この人がこの桐皇学園バスケ部の主将、今吉翔一さん」
やっぱり主将だったんだ。
「よろしゅうな」
出された右手、私は恐る恐る握手をした。
『大神かなみです。一ヶ月だけですが、よろしくお願いします。』
「ふーん…かなみちゃんかぁ…」
ニコニコと笑っているが、この裏には何かを企んでいるような雰囲気を醸し出している。
「よ、よろしくお願いします!」
あ…この人…同じクラスの…
「桜井良です!」
『知ってるよ。同じクラスじゃん。』
そう言うと桜井は焦りだし
「す、すみません!覚えてたんですけど、大神さんが覚えてなかったらって自己紹介してしまいました!すみません!」
あー…
なんかめんどくさいタイプ。、
「俺は若松だ。よろしくな」
2年生だろうか?
一言で言えば、うるさそう。
「俺は諏佐だ。うるさいやつばっかだが、よろしくな」
この人は三年生…?
1番賢そう…
そのあとも部員の紹介を受けた。
一ヶ月で去るというのに、こんなしっかり自己紹介されてしまった。
しかし、だいたいタイプはわかった。
「かなみちゃんは、私と同じ帝光中学のマネージャーをしてたんですよー。だから、情報収集に長けていて…そうですね、私が女の勘を使うとすれば、かなみちゃんは、直感を使うって感じですかね」
さつきちゃんの言う通り、私には女の勘はないけれど…
直感があった。
誰かを一目見て、この人はこういう人だ。とか
次にこういうことをするんじゃないか?と直感することだった。
そしてこの直感がよく当たる。
帝光中学でも、何度か助けてきたことはあった。
「ほぉー…さすが帝光中学のマネージャーさんやなー」
だから…
私の直感が正しければ…
今吉さんは危ない。
「ふふ、一ヶ月お願いねっ」
さつきちゃんはマネージャー代理が決まったことにホッとしたらしいけど…
これから大丈夫なのだろうか…
「おい、かなみ」
青峰君に呼ばれ、私は振り返る。
「お前の直感は正しいとおもうぜ。…気を付けろよ?」
『…うん、ありがと』
私は苦笑いした。
「かなみちゃん、明日から来れるん?」
今吉さんが私のところへ来た。
『あ、はいっ。…大丈夫です』
「そっか、じゃあ、今日中に桃井にマネージャーの仕事教えてもらって?明日からマネージャーとして頑張ってもらわなあかんし」
『あ、はい。わかりました!』
喋っていても、特に危険な感じはしないけど…
なんだったんだろうかあの直感は…
私は、警戒しつつも、さつきちゃんにマネージャーの仕事を教えてもらった。