shortSTORY 2

□☆残酷な運命
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あなたは運命を信じますか?


それが、あなたにとって喜ばしい運命であり、はたまたあなたにとって悲しい運命であるかは別として。



人には決められた運命があるのだろうか。





変えることのできない、残酷な運命など


あるのだろうか。










私、大神かなみ。
今日から秀徳高校の一年生。

今日は授業初日。

1日目なわけだけど…




『遅刻!!!!???』



目覚まし時計を見ると、時計はもう電車に乗っていなければいけない時間!


冷や汗をかくと同時に、私はベットから飛び出し、制服に着替え一目散に家を飛び出した。



なんてこと…


初日から遅刻だなんて!


せっかくこの難関高校、秀徳高校に受かったのに…



何やってるんだ私は…



全力で走ったおかげでなんとか、ギリギリ学校を遅刻しないですむ電車に間に合った。


しかし…



『う…人多い…』



この時間、ラッシュなのかものすごく人が多い…


でも、これに乗らなければ確実間に合わない…



私は無理にでも電車に飛び込んだ。



電車の中は想像以上に窮屈だった。


背が高い方ではない私にとって、そこは圧迫地獄。



電車のドアにギューっと押し付けられ、今にも内臓が潰れそう…




そんな時…




サワァ…



『!?』



お尻にはしる、気色悪い感覚。



なんて最悪な日なんだろう…



痴漢だった。



こんな満員電車では、身動きもとれないし抵抗もできない。



それをいいことに、痴漢はひたすらお尻に触れてきた。



気持ち悪いし怖い…



怖い怖い怖い…



私はギュッと目をつむって耐えようと思った。



その時、

圧迫されていた体は急に楽になり、お尻を触られる感覚もなくなった。




『…?』



後ろを振り向くと、そこには背の高い、学ラン姿の男の子。


髪の毛は緑がかった…眼鏡をかけている彼だった。



もしかして…かばって…くれた?



痴漢との間に入ってくれたのか…その後はお尻を触られることもなかったし、それ以上にあの圧迫地獄からも解放された。



後ろの彼がかばってくれているように思えた。



ただの偶然かもしれない。


そうは思うも、学ランの校章を見た瞬間…



同じ高校だ…




それは秀徳高校の校章だった。



なにこれ、運命…的な?



そんなことを思っていると、駅に到着した。




降りる人が多かったため、私は後ろにいた彼を見失ってしまった。




仕方ない…


でも、同じ高校ならまた会えるはず…


そんな期待を持ち、私は高校へ向かった。
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