shortSTORY 2

□☆誓いの言葉
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翌日。



私は学校を終え、パパの言うとおりまっすぐ帰宅した。



クローゼットを漁り、1番お気に入りの白いレースのワンピースに着替える。



胸元のリボンを結び、髪を整え、軽く化粧をする。



はぁ…



気分が上がらない。



トントン。



ノックの音が聞こえ



「そろそろ出発するぞー」



パパの声が聞こえる。



『今行くー』



私は覚悟を決め、私の婚約者がいる、赤司家へと向かった。





車に揺られ数十分。



大きな豪邸につく。



ここか…



いかにも、おぼっちゃまがいそうだ…



車で中に入り、大きな扉が開いて、中から婚約者の父親らしき人がでで来た。



「待ってましたよ。ようこそ、我が赤司家へ」




私は車から降り、深々とお辞儀をする。


『こ、このたびは…えっと…あの…あ、はじめまして。大神かなみと申します』




頭が混乱して、まともな挨拶ができない。


アタフタしていると



「そんな緊張しなくても大丈夫だよ?さ、中に入ってください?」



とても優しそうな人で、笑顔で私たちを家へと入れてくれた。




家のなかももちろん広くて、その中の大きな客間のようなところに通される。



「征十郎はもうすぐ帰ってくると思うから…もう少し待っててもらえるかな?」



征十郎…


私の婚約者か…




『はい』


ニコリと、作り笑顔を見せる私。




「へぇ…君みたいな美しい人が征十郎の婚約者になってくれるなんて、嬉しいねぇ」



急に褒められたことで、顔が赤くなる。


『そ、そんなこと…わ、私も光栄です…』



心にもない言葉。


でも、雰囲気にどうものまれてしまう。


その時…


「ただいま帰りました」



ガチャリと客間のドアが開き、男の人が入ってきた。




背はそれほど高くなくて、髪の毛は赤みかかっているが、決して不良のような雰囲気ではなかった。



落ち着いたその顔立ちは、とても整っていて、赤みかかる髪の毛が似合っていた。



「おお、征十郎、おかえり。…こちらが例の…」


『あっ、大神かなみですっ。はじめまして』



お辞儀をして、チラッと彼を見る。



すごく綺麗な人…



見惚れてしまう。



「あぁ…、こんな格好で申し訳ない。赤司征十郎です。…どうぞよろしく」



ニコリと笑う彼。


すごく綺麗な笑顔だ。



けれど、何か冷たい感覚を覚えた。

何故だろう…こんな素敵な人なのに…




「そうだ。私たちは親同士で少し話をしなければいけないんだが…どうだろう、征十郎の部屋で若い者同士お話をしては?」



えっ…


こんな初めて会った人といきなり二人きり!?



『えっと…』


「分かりました。…かなみさん、僕の部屋に案内しますのでどうぞ」


サラリと顔色ひとつ変えず、征十郎君は私を部屋へと案内してくれた。



な、なんだろう…


緊張するなぁ…



私は有無を言えず、そのまま征十郎君の部屋へと招かれた。



彼の部屋は、やはり広くて、必要最低限のものしか置いてないのでさらに広さを強調させる。


勉強机に腰掛ける征十郎君。



「…」

『…』

「…」

『……あの…』


沈黙に耐えられず、私は恐る恐る征十郎君に声をかける。



「あぁ、ベットでもカーペットでも、好きなところ座ってくつろいでくれればいいよ。…僕は勉強してるから、話しかけないでくれるかな?」



『…え?』


ちょ、お話するんじゃ…



彼のた淡々とした言葉に私はフリーズしてしまった。
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