shortSTORY 2
□☆誓いの言葉
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「かなみ、明日婚約者に会ってもらう」
私は、パパの言った言葉を理解できず
『婚約者⁇…誰の⁇』
ポカンと口をあける。
「かなみ、お前の婚約者に決まっている」
サラリとそう言う。
『へ!?ちょ、パパ!なにそれ!聞いてない!!』
「…はぁ。…明日の呼び方で、パパはやめるんだぞ。…聞いてないのは当たり前だ。今日初めて言った」
さも当然のように…
『そんな急に婚約者なんて言われても…、み、認めないよ!』
そう声を張り上げた。
パパは、小さくため息をつき
「かなみ…、わかって欲しい。…今まで自由にさせてきただろう?…大神財閥は倒産の危機に陥ってるんだ…」
『へ?倒産?』
私のパパは、ある大きな会社の社長である。
今までも、なに不自由なく過ごしてきた。
綺麗な服や、高いバック…
そんなものを手に入れられたのは、間違いなくパパのおかげ。
でも…それとこれとは…
「お願いだ…。お前が…お前が赤司家と結婚することで、私の会社は倒産せずに済む!」
あ…赤司家…
聞いたことないしわかんないし…
「赤司財閥と深い関係を結ぶことで、安定した経営を取り戻すことができるんだ。あちらも…私の会社と提携することで…いくつかのメリットはある。だから、喜んで受けてくれたよ」
…そ…んな…
「だから、今さら…無理なんて言えないんだ…」
私だって…恋愛して…結婚したいよ…
「お願いだ…」
消え入りそうな声。
でも…私が結婚しなかったら…潰れ…ちゃうのか…
私は少し黙って
『…わかった。…会うだけ、一回会ってから考える』
パパの顔はパアッと明るくなり
「本当か‼︎いやー、よかった‼︎じゃ、明日は学校から帰ってきたらちゃんとした格好に着替えるんだぞ?」
え…なんか…
騙された感…
『わ、わかった』
まぁ…会うだけあってみよう。
良いとこのぼっちゃんなんて…
そうそうかっこいい人もいないだろーな…
デブだったり…禿げてたりしたらどうしよう…
そんなことを思うと憂鬱になり、私は早めにベットへともぐり、眠りについた。