shortSTORY 2

□☆一筋の光
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ガララララ。




「遅いぞ〜大神、遅刻つけとくからな〜」



『…すみません』



私は1番後ろの席だ。



席につくと、机の中に何かが入っているのに気づく。





見てみると、ひどい言葉が殴り書きされている紙。



ギュッとその紙を握り、私は視線を下に向けた。




どうして?


私、何かしたかな…



いつまで…続くのだろう…こんなこと…



授業はいつも通り行われた。



授業が始まっている時にイジメはない。



だから授業は落ち着く。




キーンコーンカーンコーン。



昼休みになった。




外に出てしまおう。


授業じゃ無い時の教室は居心地が悪い。



私は立ち上がり、教室の外へと向かう。




ガッ



その瞬間、足に何かが絡まり、私はその場に倒れた。




バタンッ



思いっきり転けたことで、体に激痛が走る。




誰かの足に絡まったのだろう。




シーンと静まり返る教室。




ビシャビシャビシャ…



急に、頭から水がかかってきた。


いや、甘い匂い…



私は顔を少し上げる。



「ごめーん、ジュースこぼしちゃった」




ケラケラと笑う。


いつもいじめをしてくる1人。



どうして…


教室で、こんな公でこんなことされなかったのに…




教室の隅から



うわぁ…
ひどい…
なにあれー…



と言った声が聞こえる。



けれど、誰1人助けには来なかった。






私はゆっくりと体を起こし、ペタンと座り込んでしまった。




足が、震えて立ち上がれない。




でも…ここから出なきゃ…




「大丈夫ー?」



急に、私の目の前に手が差し伸べられた。



『へ?』



顔を上げると、



「すげー音したけど…怪我ない?」




クラスメイトの…



高尾君?…だっけ…




『だ、大丈夫』




私の足の震えは消えていたので、自力で立ち上がった。



『大丈夫だから…気にしないで…』



私は急ぎ足で教室を出て行った。
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