shortSTORY

□☆恋人series
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「……まぁ……こんなもんだろ」




一通り教えてくれた花宮君。



『あ、ありがとう……』



「次のテスト100点とれよ?」


『え?そ、それは……』


花宮君はニヤリとこっちを見て


「とれなかったら俺の言うことなんでも聞いてもらうから」



『えぇっ!?』




参考書を鞄に戻し



「うっせぇよバァカ。……ほら、帰んぞ」




窓を見ると、もう暗くなっている。



『あ……せ、せっかくのOFFだったのに……ごめんね』


「……は?せっかくのOFFだから一緒にいんだろ」



『え?』



「帰んぞ」




花宮君は私に背を向けた。



あれ?耳……ちょっと……

赤い?



『ま、待ってよっ』




私も急いでノートを鞄に戻し、花宮君を追いかけた。




すると廊下で……



「お、花宮じゃん」





プーッとガム風船を膨らます彼は……




『あ、原君!』



「お、彼女ちゃんも一緒かぁー」



原君は私の方に来て



「いやー……やっぱレベル高いよねぇ〜。花宮より俺にしとかない?」

目は隠れているが、口をニッコリとさせこちらを向く。


『え?』


いきなりの発言に顔を赤くすると



「バーカ、何本気になってんだよ。からかわれてんだよ」


花宮君にコツンと頭を叩かれる。



「えー?俺からかってないけど?」


原君は花宮君の方を見てガムを膨らます。



「ならぶっ殺す」


「あはは、からかってまーす」



原君は私の頭をポンポンと撫で



「マジで好みだからさ、花宮に飽きたらおいでよ。じゃーねー」



そう言って彼は逆の廊下を歩いて行った。



『…………原君ってやっぱチャラいね……』


「チッ……」



あ……



なんか機嫌悪くなってる。



『私は花宮君に飽きたりしないよ?』



「は?当たり前だろ。飽きるとしたら俺の方だし」



『えぇっ!?』



その瞬間、顎をもたれ


「いちいちうるせーよ」



唇を塞がれた。




人はいないが、廊下のど真ん中。




一瞬にして体温が上がっていった。
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