shortSTORY

□☆甘い声
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『…』


「…」



隣に座ってるだけなのに、心臓がドクドクとうるさい。


聞こえてるんじゃないかって思うくらい…



この沈黙が、さらに私を緊張させる。



『緑間く…「なぁ」



私と彼の声が重なる。



けれども緑間君は関係なしに言葉を続けた。



「…高尾と…最近仲良過ぎじゃない…か」



『え?』


「き、今日だって…肩とか…」



あれ…

もしかして…



『緑間君…ヤキモチ?』


「なっ、うるさいのだよ!」



ドンっ



いきなり、ベットに押し倒される。



『わ、わわわ!ごめんごめんごめん!!』




いきなりのことで、私はバタバタと身体をばたつかせる。




「…うるさい…」



緑間君は私を押し倒したまま、私の首筋を唇でなぞってきた。




『!?…っあ』



変な声が漏れる。



『んっ…んん』



緑間君はベットの上にのり、そのまま私の顔に近づいた。



手は、彼によって塞がれてるし、足だって緑間君の足があいだに入って身動きが取れない状況にある。



『ま、まって、まってまってまって』



「まる…」



急に呼ばれた名前に身体がビクッと反応する。




「キス…していいか…」



真剣な目、私は首を縦に振ることしかできなかった。


その瞬間、ゆっくりと近づく緑間君の顔。



優しく、唇が重なる。



『ん…』




優しく、傷つけないように大事に思ってくれているキス。


それが伝わってきた。
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