shortSTORY

□☆甘い声
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「…帰るぞ」



緑間君は立ち上がって、自分の荷物を鞄に入れ始めた。



『あ、うん』



一緒に帰ってくれる!


私はすぐに自分の荷物を準備した。



教室からでて、正門にむかう。



その間、緑間君は一言も話さない。


やっぱり怒っているようだ。



『み、緑間君…怒ってる?』



緑間君を覗き込むと



「…別に」


と視線を外された。



うぅ…


どうしよう…



『き、今日どっかいく?時間もあるしさ!ちょっと買い物でも…』



「いや…今日はそんな気分じゃないのだよ」



ううううう…



『そ、そっか。じゃあ真っ直ぐ帰ろっか』



せっかく久々のOFFなのに…


デートできないなんて…



着々と近づく緑間君の家。


とうとう、家の前まで来てしまった。



『…じゃあね』


私はひらひらと手を振る。



すると


「…上がっていくか?」



『…へ?』



思いもよらない言葉に一瞬固まってしまう。


「だから…家によっていくか聞いてるのだよ」


『い、いいの??』



緑間君は黙って玄関のドアを開けた。



『お、おじゃましまーす』



玄関にはいると、とても綺麗なお花が飾ってあり、いかにも緑間君の家らしく、靴がきちっと整理整頓されている。


「今、親は仕事中で家にいないのだよ」


え…


ってことは、この家に二人きりかぁ



私はキョロキョロと周りを見渡す。



「俺の部屋は二階なのだよ」



そのまま、緑間君の部屋まで連れられていく。



緑間君の部屋は、なんか無駄なものがなくて、勉強道具や本があるだけのシンプルな部屋だった。、


「好きなとこに座っていい」



そう言われ



『べ、ベットの上とかでも大丈夫?』



近くのベットを指差す。


「あぁ。好きにしろ」



そう言われ、私はベットに座った。



ギシッとベットがきしみ、なんかドッと疲れがたまっていたことに気づく。



『はぁ』



思わずため息をつく。


すると、緑間君も私の横に座って来た。
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