shortSTORY
□☆好きと言って
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黄瀬君はなるほど…というような顔をして
「それを…笠松先輩に求めるのは至難の技っスね」
「えー…そうなの?」
『そうっスねー…一筋縄ではいかなさそーっス』
でもさぁ…付き合ってるんだよ?
付き合ってるのに…そんなの…
しかも
『黄瀬君が…笠松先輩も私の事好きみたいだとか言うから告白したのに…』
「OKもらえたじゃないっスか」
『本当に好きなのかわかんないよ…』
黄瀬君はずっと私の相談にものってくれていて、告白の時でさえ手助けをしてもらった。
だからこんなこと頼むのはひけるけど…
でも頼める相手は黄瀬君しかいない。
『ねぇ、黄瀬君』
「なんスか?」
『笠松先輩にヤキモチ妬かすの手伝って!』
「はぁ!?」
何度私たちは視線を集めるのだろう…
「コホンっ……何言ってるんスか。そんなことして何になる…『笠松先輩が…本当に私の事好きなのか知りたいの…』
卑怯だってわかってる。
でも…
『お願い…』
黄瀬君の腕を握る。
その強さに、本気を感じたのだろうか、黄瀬君は黙り込んだ。
「………はぁ」
ため息をひとつ。
「まるっちに頼まれると、どーしても断れないんスよね」
『え…じゃあ…』
「手伝うっスよ。あー…あとから笠松先輩に肩パンされまくるんだろなー…」
『ありがとう!!黄瀬君!!』
私たちは一緒に体育館へと向かった。