shortSTORY
□☆溺愛
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何分?何時間?
かなりの時間がたったように思える。
身体がふわふわしてる。
夢の中みたいだ。
ふわっと頭に優しい感覚がした。
撫でられているような、そんな感覚。
『んっ…んん』
私はゆっくり目をあける。
すると、目の前には赤司君がいて、私の頭を優しく撫でる。
『ひゃ!?』
「ふふ、ごめん…驚かしちゃったかな?」
赤司君はしっかり制服もきていて、どうやら練習は終わったようだった。
「それにしても…無防備すぎない?」
赤司君は顔を近づけてきた。
「教室に来たのが僕で良かったけど…他のやつに君の寝顔は見せたくないな」
そう言って、優しく滑り落ちる手は、私の頬を撫でた。
「久しぶりに二人きりだね」
ドキッ
心臓がうるさくなってくるのを感じる。
私は、どうにか抑えようと赤司君から目線をはずした。
「だめ…僕を見て?」
赤司君は私のその行動を許さない。
添えられた手は顎をつかみ、くいっと赤司君のほうに顔が向けられた。