shortSTORY

□☆生徒との恋
2ページ/7ページ

ある日の放課後。


生徒たちも帰り、教室には珍しく誰もいなかった。


今日はみんな帰るのが早いなぁ。


まだ夕方だってのに、こんな静かな教室。



黒板には落書きがされている。


『まったく…』



私は黒板消しをもち、落書きを消していく。


結構高い位置に書きやがって…


私は思いっきり背伸びをした。


『あ、…と少し…』


「俺が消しましょうか?」


『ひゃあ!?』


真後ろで、しかも耳元で言われ、飛び上がるほどビックリして黒板消しを落とした。


「ははっ、すみません」


後ろを向くと


『ひ、氷室君…』


氷室君は落とした黒板消しを拾い上げ、


「すごく大変そうだったんで…」

らくらくと上の方の落書きを消していく。



『背…高いね…』


「普通ですけどね。…バスケしてたら、もっと高いの沢山いますよ」


『あ、氷室君って部活バスケしてるんだっけ?』


「はい。今日も自主練だったんですけど、早く終わったんで…」


氷室君はカバンからゴソゴソとファイルをだし


「勉強…教えてもらっていいですか?」


『え…あ、いいよ』


なんか、誰もいない教室で勉強教えるのって初めてだから、少し緊張するなぁ。



私と氷室君は、席に座った。


「ここなんですけど…」


今日はいつもより近い…


こんな綺麗な人が近くだと…やっぱ緊張…


『う、うん…ここはね…』


でも、先生なんだし、しっかり教えなきゃ…
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ