帝光中学のマネージャー

□第4話
1ページ/5ページ

次の日。



合宿二日目だ。


結局昨日は、青峰君にそのまま宿まで一緒に帰り、何事もなかったように部活では接していた。




「おい、かなみっ」



ボーッとしていた時、青峰君の声が頭に響いた。



『へっ』


声の方を見ると、勢い良くボールが顔面へ…


えっ!?!?


私は硬直して咄嗟に目を瞑った。






バチッッッ



目の前でそんな音が聞こえたけど



顔は…



痛くない…




「大丈夫っスか?」



ふと目をあけると、黄瀬君が私の目の前に手のひらをかざしていた。



下に転がっているバスケットボール



あ…



『黄瀬君…ありがとう』



「…はぁ。マジで焦った…。ちょっと青峰っち!!何してるんスか!俺が守ってなきゃかなみっちの顔面に…」


「わりーわりー」



ヘラヘラと謝る青峰君。



『う、ううん。私がボーッとしてたのも悪いし…』


「だってよ?黄瀬」


「かなみっちは優しすぎ…。あー…手のひら痛てぇ…」


ひらひらとさせる黄瀬君の手を、私はそっと掴み



『ごめんね?大丈夫…』


「っ!」


一気に赤くなる黄瀬君。


「だ、大丈夫っス!また当たりそうになったら俺が守ってやるっスよ」



手を優しく撫でられ、急に恥ずかしくなってしまう。


『あ、ありがと…』



すると…


バシンッ



「痛いっ!?」


黄瀬君の頭にバスケットボールが直撃。



「すみません。パスの方向…間違えました」


「黒子っち!?どこをどう間違えたらそんなパスくるんスか!?」



黒子君はペコリと頭を下げ



「まぁ…まだ僕のパスで良かったと思いますけど…」


「なに怖いこと言ってるんスか…」



やれやれと黄瀬君は私の手を離し



「そろそろ怖〜いお仕置きが来そうなんで…練習戻るっス」


『あ、うん!頑張って!』



そしていつと通り、キツイ合宿練習が始まった。



心なしか、黄瀬君へのみんなのパスがきつい気が…



き、気のせいかな…
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ