shortSTORY 2

□☆気づいて欲しくて
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宿題を終え、夕飯も済ませた私はベットにゴロンと寝転ぶ。



もう9時か…



和成はしっかり宿題してるかなー



チラッと和成の部屋の方を見ると、明かりが漏れている。



部屋からは分からないが、ベランダに出れば和成の部屋の様子が伺える。



私はそっとベランダへと出た。




あ…


和成ちゃんと宿題してる…



部屋を覗くと、勉強机に座り宿題と向かい合う和成の姿。



部活で疲れているせいか、時折眠そうにカクンとなっている。



『…仕方ないなぁ』



幼馴染みがこんなに頑張ってる姿を見ると、手助けしたくなっちゃうよ。



私は宿題のノートを持ち、和成のベランダへと移動する。



そして…



コンコンコン


ベランダの窓を叩く。



「…ん?」



和成は宿題から目を離し、窓の方へ視線を移す。


「…かなみ!?」




眠気も吹き飛んだかな?


私はブンブンと手を振る。


和成は急いでベランダの窓を開け



「なにやってんだよっ」


『いやー、頑張ってる和成君に宿題を教えてあげようかと思って?』


「な…。…そのノートを俺に渡してくれたら早いと思うけど?」


『それはダメー。…ね?入っていい?』



「…構わねぇよ」



和成はため息をつきながらも、勉強机に座りなおす。


『どれどれ…。って全然進んでないじゃん!?』


「…わかんねーんだよ!」


もー…これは時間かかりそうだ…



『ほら、やるよ?』


「お、おう」




和成の宿題を教える。



最初は苦戦したが……だんだん分かってきたようで……




「あー……これがこうなんのね」



『そうそう!やればできるじゃん!』



「んー……いや、お前の教え方が上手いだけ」



ふと褒められ




『え……なに急に……何も出ないよ』




「ちっ……出ねぇのか」



『おい!』



和成はヘラッと笑った。




こんなお調子者だけど……


やっぱり彼を放っておけないところがあるんだよなぁ……
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