帝光中学のマネージャー

□分岐ルート6
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私は次の日曜日の欄に【赤司君と水族館】と書き入れた。


合宿の最後の夜のこと…決して忘れることはなかった。

あれが…赤司君の気まぐれで遊びだったとしたら許せない。


でも…赤司君はそんなことする人なのだろうか。


もしかして…なにか訳があってあんなことを…


どちらにしろ…私は赤司君のことを知らなさ過ぎる。


もっと彼のことを知って、あの時の…合宿のことを問いただしてみよう。

きっとこのままじゃ、モヤモヤが消えない。

部活でも片隅で彼を意識してしまう日々が続いてしまうだろう。




ドキドキしながら、携帯を握り



ピピピッ




プルルルル




「はい。赤司です」




電話越しの赤司君の声に心臓が飛び跳ねそうになる。



赤司君と電話なんて初めてだし、ましてやデートの電話…




『あ、あの!!大神です!!』



思わず力んだ声を出す。



「…ふふ、なにか用かな?」



笑われてしまった…




『あ…えと…次の日曜日…赤司君と水族館…行きたいなって』




「……そうか」




そうか!?


赤司君はすごく落ち着いていて



「光栄だよ。…時間は一時、駅前に待ち合わせでいいかな?」



『あ、うん』



なんともスムースに時間も決まり





「楽しみにしている。…じゃあ、また」




プツッ





ツーツーツー




あっという間に電話は終わってしまった。




にしても…なんとも落ち着いている赤司君。




私なんて緊張しっぱなし…



まぁ、赤司君が私に緊張感を抱くことなんてあるわけないか。



赤司君とのデート…


これ以上に緊張するだろうな。


私はクローゼットを開き、日曜日に着ていくための服選びを行うことにした。




『赤司君の好みってどんなのだろう…上品な感じかな?』





なるべく白いベースの服を選ぶ。



『こういうワンピースとか?…可愛すぎないかな…』




シンプルな白いワンピース。



『…って…別に付き合ってるわけじゃないんだし…』



こ、こんなに悩むことでもないよね。




私はワンピースをクローゼットに戻し、ベットへと体を沈めた。








赤司君のことをちゃんと知る。



これが、日曜日の目的。



緊張せず…ちゃんと喋れるように…




そんなことを考えていると睡魔に襲われ




そのまま眠りについた。
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