リク・過去拍手
□音駒に現る彼奴
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彼奴(あいつ)はよく、冬にやってくる
彼奴はよく、人から移される
彼奴は…ー
「ぶぇっくしゅん!!」
「…クロ、風邪?」
「あ?んなわけねぇ…だ、ろ…」
ふらっ……バタン!!
「!クロ……!!」
「黒尾先輩!!」
「キャプテン!!」
彼奴…風邪は、音駒の主将にも
…容赦せずに襲いかかる
いや、襲いかかったのだった
ー ー ー ー ー ー ー ー ー
「……(ぱちっ」
「クロ……!…大丈夫?」
「研磨か……?俺は…
ーなんで保健室(ここ)にいる」
「倒れたからに決まってる」
そうか、俺は倒れたのか…って
そんな悠長にしてられねぇ
来週には因縁相手、烏野と練習試合だ
今ここで休んだら練習時間が…!
「研磨、もう大丈夫だ
練習に行くぞ」
「ダメだよクロ。風邪引いてるんだから大人しくしないと」
珍しく研磨が強引に
俺をベッドへ押し戻し、保健室から
出さないようにしてきた
けど、ここで負けるわけにはいかない
「来週には烏野と練習試合だぞ!
そんな大人しくなんてー「じゃあクロは、今無理に部活して、烏野と試合するときは風邪をぶり返して休むつもりなの?」は!?俺はそんなことしねえ!」
「それを言い切れる保証がない」
「ッ!」
今日の研磨は強い
俺を無理矢理にでも休ませようと必死だ
それだけ俺の身体を心配して…ッ!
「研磨…っ、お前はそんなに俺が心配なー「無理してまた倒れたら面倒くさいから」…そうですよね」
やっぱりそうか…
研磨のことは大体分かってしまった
さすが幼なじみなだけある!
…と感心していると
「クロ…絶対寝ててね」
「え、ちょ…研磨!?」
「…なに」
何って…寝るまでいてくれねぇのか!?
俺はその質問を投げかけた