短編―あんスタ

□月永レオ
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『………♪〜♪〜』

歌うのは 名も無い私の物語
今日もこうして1人で歌っては
1人で去る。


「……!」

けど

『!!!』


今日は運が悪いみたい


『ごめんね、
すぐに退くから……』

夕暮れの屋上、私は荷物を持って
彼の横を走り過ぎる

……前までは、こんなに気まづくなかった
誰も邪魔できないくらい仲良くて
腐れ縁で……


―「うっちゅ〜☆」
―『はいはい、おはよ』

そんなレオが大好きで
けど伝える勇気はなくて
こんなグダグタしたまま過ごすんだと
思ってた

そんなある日だった


―「結羅、帰ろー☆」
―『あっ、ちょっと待って!!』

10分くらい待ってもらって
やるべき用事をしていた
Knightsのユニット紹介文だ
売り込むために、レオの…
みんなのいい所をKnightsは特に書き込んだ
あたりは既に真っ暗
星空をみながら無邪気に笑うレオを重ねた
レオをずっと見ていたから…
こんな日々が続くと思ってた
なのに……

―「もしもし?…ルカたんが怪我!?」

妹の、るかちゃんが怪我をしたみたい
小さい女の子を守ったらしい
1週間入院しないといけないらしくて
レオはすごく凹んでいた

―「……」

次の日も、ずっと暗かったレオを
見てられなくて
私は明るく声をかけた

―『レオ、元気だして!
大丈夫、るかちゃんすぐに
良くなるよ!』


私は、例えるなら名も無い星屑
こういう時、まったく心に届かない


―『ねっ?レオが元気じゃないと
るかちゃんも、元気にならないよ!
「なぁ」ん??』
―「なんでルカたんの状態見てないのに
そんなこと言えんの!?
ルカたんじゃなくてお前がなれば
良かったのに!お前が10分遅く
ならなければ!ルカたんを守れたかも
しれないのに……!」
―『……!!!!』
―「もう、放っておいてくれよ!」
―『……うん、ごめん』



あの瞬間、2人の物語は
終わったんだと思った。


―『わたしね、れおの曲で
あいどるになるよ!』
―「おう!かっこいい、でびゅーきょく!
つくるから!」


あの日語った夢も


―『れお!これからも、
ずーっといっしょ!!』
―「あたりまえだ!!やくそく!」

交わした約束も


私には眩しすぎたけど
願いが叶うなら……
レオだけは、もう…苦しまなくていい
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