大切なものは−2nd

□46翌日
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『あかり』

茅「!鈴…どうしたの!?」

泣いている私を見て、あかりは
驚いて近寄ってきた

『カルマくんに…別れようって
言ってきた…っ!』

茅「!?…ど、うして…
…!もしかして触手を…」

『カルマくんに、嫌われるなら…
自分から振った方が楽だよっ
もう、大丈夫…』

大丈夫だったら、涙は止まるはずなのに
ホント、私って弱いなぁ

『…明日、教室はどんな感じか
少しだけ覗いてくるよ』

茅「でも、カルマ君は…」

ううん、教室には入らない

『外の、木の上から見るだけ…
もう私は…カルマくんに近付けない…』

茅「…そっか………」

?「君達、いい加減メンテを
しないのかい?」

……この声は

『…シロ』

シ「すっかり君も、同じ様に
言うことを聞かなくなったねぇ
それにその格好を見る限り、
代謝バランスも不安定」

言うとおり。
代謝バランスがおかしいせいで
寒いところと暑いところの
体温の差が激しい

シ「メンテを受けない野良の触手を
使い続ける者の結末は…」

『シロありがとう。でも大丈夫
…明日が最後』

茅「私達2人で殺るんだから
−消えて」

私達はまた森の奥へ行った

『あかりストーップ!!』

茅「うぐぇ!!」

あかりのマフラーを引っ張った
2人で地面に強打

茅「鈴…!?」

『お願い。今1つだけ手伝って
欲しいことがあるの!』

茅「?…いいけど」

2人で一度私の家に行き、
カメラや服を取る。

そして薄暗くなった誰もいない
山の中。唯一綺麗に月明かりが栄える
場所で

『…最後の、動画投稿だよ』

茅「!…そんな大事なもの…私が
撮って良いわけ?」

『うん、あかりにしかお願い出来ない
…じゃ、行くよ?』

私は最後、全力で歌い踊った

“すず”として…最後の歌
最後の踊り

それを終えた私にはもう、
殺せんせーを殺すこと…あと…
カルマくんの事だけが
頭に残った
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