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□三話 赤い薔薇
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イヴ「…ゼロ…大丈夫かな……」

イヴは絵の淵で座り込んでいた。

イヴ「……いつの間にか絵の中にいたクジラもいなくなってるし……まさか…」

同行人を失ったと思って心細くなるイヴ。

イヴ「…お父さん…お母さん……」

イヴの瞳が涙ぐんできたその時…

イヴ「っ!!」

ザバッっと何かが浮上した音が響く。
見てみると、手が水面から出てきていた。

そして、上半身が出てくる。

ゼロ「イヴ!」
イヴ「……ゼロ…」

イヴはゼロを見て少しホッとする。

イヴ「…良かった……」
ゼロ「え?何?」

小さく呟かれたので聞き取れず、ゼロは聞き直す。

イヴ「…何でもない。」
ゼロ「そっか……」


ゼロは上半身だけ絵から出して言う。

ゼロ「イヴ、驚かないでね。下に道があったんだ。」
イヴ「…え?」

イヴは驚きを隠せない。

ゼロ「イヴも来て。非常口かもしれない。」
イヴ「…う、うん。」

イヴはぎこちなく頷く。

ゼロ「じゃ行こ!」
イヴ「ふあっ!」

いきなり手をゼロに引っ張られ、変な体勢でイヴは絵に落ちた。


〜〜 三話 赤い薔薇 〜〜
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