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□二話 少女と深海の世
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ゲホッ ゴホッ
ゼロ「うわっ!」
“咳をする男”とタイトル名に書かれたその絵から、本当に咳をする声が聞こえた気がして驚くゼロ。
ゼロ「本当に咳をするなんて……すごいな絵なんだなあ……」
記憶が無いゼロに常識はあまり意味を成さない。
ゼロ「それにしても、ここって本当にすごい作品がいっぱいあるんだなあ……見ていて楽しい。」
そうして歩き回っていると、人影を見つける。
ゼロ「ん?」
見ると、同い年位の少女のようだ。
ゼロ「ね、ねえ君!」
少女「!」
向こうもこちらに気づいたらしく、こちらを向く。
すると向こうは、酷く表情が明るくなり、こちらに向かってくる素振りを見せたが……
少女「……っ!!」
ゼロ「………?」
少女は少し視線を下に落とした瞬間顔色を真っ青にし、そして……
少女「っ!!」
全力で逃げ出した。
ゼロ「え!?ちょ、ちょっと!」
ゼロはマチェットを片手に持ったまま走り出す。
ゼロ「どうしたっていうんだ!待ってくれ!!」
〜〜 二話 少女と深海の世 〜〜