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□一話 黒い薔薇
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?「うっ……うぅ……」

一人の少年が“その絵画”の前で目を覚ます。

少年「うぅ……ここは……?」

少年は辺りを見回すが、見渡す限り薄暗い中に色々な絵があるだけだった。

少年「どこだここ……第一僕、なんでこんなところで眠って……あれ?」

少年はまずなぜここにいるのか思い出そうとした。
……が…

少年「あ、あれ……僕、なにしてたんだっけ?」

少年はなんだか不安になり、何か思いだそうとするが……

少年「あれ……あれ?………何も思い出せないや……」

少年は、自分の名前さえも思い出せなくなっていた。
わけがわからずもう一度よく辺りを見回す少年。
そしてふと、自分が眠っている時に凭れていたであろう壁に目をやると……

少年「………わあ……」

少年は思わず感嘆の声をあげる。

……絵画『絵空事の世界』…

少年の目には、今の状況を忘れてしまう程その絵画が魅力的にうつった。



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