火神と木吉

□俺が教えてやるよ
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テスト期間中なので、部活は禁止。
勉強が大の苦手な火神は、今日は木吉の家でテスト勉強をすることになった。

ことの始まりは、昼休中の黒子との会話からだった。
「火神君テスト勉強は進んでますか?」
「お前それを俺に聞く?」
「ですよね。またあの時みたいにカントクの家で勉強会します?」
「げっ あんなんもう勘弁だ」
火神は肩を落とす。
「それは困りましたね〜」
「何困ってんだ?」
不意に後ろから掛けられた声の方を振り向くと、一体いつから居たのか、木吉が付いて歩いていた。
「がっ!!って黒子か!!」
「どうも」
驚く火神に対して、黒子はいつもと変わらず挨拶をした。
「ん?黒子は火神の隣に居るだろ。なんだ、忘れたのか〜俺は木吉鉄平だ」
そう言って木吉は親指をたてエヘンと胸を張った。
「いや、そーじゃなくて…」
「で、どうした?」
「火神君のテスト勉強に付いて話してたんです。思うように…と言うか全く進んでないようで」
「その言い方ヒドクね」
「何か間違ってますか?」
「うっ」
火神は返す言葉がなかったら。
「なんだそんなことか。だったら俺が教えてやるよ」
『え?』
火神と黒子の声が重なった。
「じゃ〜放課後な」
バシバシと火神の頭を叩いた木吉は返事も聞かずに行ってしまった。
「痛ってーな。手加減知らねーのか」
「そんなことより、大丈夫ですか?」
「逃げっから問題ね」
「それ胸はって言うことじゃないと思いますよ」

「よっ」
下駄箱で待っていた木吉が手を挙げた。
「木吉先輩…」
「残念でしたね」
「じゃ〜行くか」
「嫌だー!!」
そんな火神を無視して、木吉は引っ張って行く。
火神に気付かれないように黒子の方に振り返り。ブイサインを出した。
黒子がこっそりと木吉に【火神が逃げようとしてます】とメールを送ったのは、勿論火神は内緒である。
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