白と黒の姫君
□第4夜。初任務
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吹雪の中に佇む一軒の小屋。
その中には1組の親子が居た。
窓際で外を見つめる少女が呟く。
「凄い吹雪…」
「――そうだな」
「父さん、どうしても行くの?」
「お前は、此処に残ってもいいんだぞ」
荷物をまとめていた少女の父が立ち上がって答える。
少女は思いつめた表情になった後、言った。
「ううん。私も行く。父さんだけじゃ心配だもの。あれが探し出せるかどうかは…分からないけど」
「この雪がみんな甘い甘いアイスクリームだったらいいのによ」
アイスをなめる甘党らしき人が1人、吹雪の中に立っていた。
傘がそれに答える。
「無事イノセンスを回収したら伯爵様がきっと作ってくれるレロ」
「千年公が作れるのはアクマだけだろうが」
「クリームシチューと餃子とキノコのオムレツ、チンジャオロースとチャーハンとシーザーサラダ、あとデザートにシュークリームとドラ焼き10個ずつ」
「オッケー、全部量多めでね?」
「うん」
「ウフん、やっぱ兄妹なのね〜。ノイズもさっき同じもの注文してったわよ」
「そうですか」
「作りがいがあるわ〜」
「ごちそうさまでした〜!」
満足げなアレンの前で感心する青年が居た。
「って凄い食欲だな」
「寄生型のエクソシストはエネルギー消費も多いのだ」
「なるほど…」
ラビとブックマンだ。
その時、探索部隊の1人がアレンに近づいてきた。
「アレン、仕事だ。コムイ室長が呼んでる」
「え」
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