カナタの想いは何処へ行く

□第1夜*Returned Home
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「門番。開けろ」




一人の少女が黒の教団本部の前で門番に交渉(命令)中。服が全く見えないような大きく長いマントを羽織り、フードで隠された顔の横では黒灰色の髪が風に遊ばれている。




「開けろっつってんだよ阿呆が!!」




少女の跳び蹴りは見事に門番にクリーンヒット。その勢いでフードが外れ、短めの髪と青灰色の瞳が露になる。




「俺の顔覚えてないのか?」




ニヤリと笑う少女を黄色の光が映し出した。




「ではレントゲン検査致します!」




門番は少女を恐れるあまり敬語に。少女はまだ笑ったままだ。











バンダナで隠された額には十字架が浮かび上がる。




「此奴額に聖痕がある!!(もしかしたら)ノア(かも)だ〜!」




ブチッ。少女の頭の中で何かがキレる音がした。




「誰がノアだこのヤローッ!!」




本日2度目の跳び蹴りがヒットしたその時。




「かな・・・た・・・?奏!!」




「リナリー」




驚き、同時に親友との再会を喜びながら少女の前に立ちつくす黒髪のエクソシスト、リナリー・リーという少女。




どうやらノアに間違われた少女の名は奏と言うらしかった。









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