風・闇・狐のお話

□風の子のお話
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…冷たい風が吹き抜ける。

「……ここは何処だろ…」
小さく呟いた。

ここに居る人に色々聞いた。
『ここは路地裏さ』
『お前は捨てられたんだ』

…捨てられた…?
初めは理解出来なかった。
だけどいつになっても親が来なかった。
やっと理解した。
理解したとたん、怖くて不安な気持ちが込み上げてきた。
どうすれば良いのかな…


あれから何年か経った。
この生活にも慣れたけど、人が怖いままだ。

泣くことも出来ないまま。
心の傷が癒えないまま。

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