甘い罠

□GAME Start. 2
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男子「おい、合コン参加する奴って結局何人?」


男子「16人だっただろ」


男子「まじか..結構集まったなー」


男子「多い方が楽しくね?可愛い子いるかなー」


男子「東栄だから結構いるじゃん」


女子「ね、もしかしてあの4人も来るの!?」


男子「もっちろん。押さえてあるぜ」


女子「きゃー!弘樹くんに会える!」


女子「うっそ!?途中参加ってあり!?」











教室内では「合コン」の話題でいっぱいだ。


いつやるのかはまだ決まってないらしいけど近々だと、男子が言ってた。




けど、参加するのはケーキを食べるためだ。


決して男子と戯れるとか絶対ない。








(男ってこと考えるだけでもう吐き気がやばいな....)







由「遥おっはよー!」


香「おはようさんー!」


「はよ、由香、香住」







由香が香住と一緒に、教室に入ってきた。



今日も笑顔がいいね、癒されるよ。



由香と香住の笑顔を見たあと、スマホを出して時間を見た。


 
まだ8時前だ。




(人集まるの結構早いな...)





何かあったっけ。



.....なんもねーな。




まぁ、気まぐれか。







男子「おい、ちび!お前も合コン行くんだろ?」

由「誰が、ちびじゃ!150あるわ!」


男子「しか、じゃねーの?」


由「黙れ巨人!」








今日もあの男子と張り合ってる....。



仲いいんだか悪いんだか...。










男子「お前ら落ち着けってー」







すかさず、もう一人の男子が笑いながら止めに入る。



これはもう、日常になりつつある。




(よく飽きないな...)






女子「由香ぁ、東栄のあの4人来るって!」


由「え、ほんと!?参加するって言って良かったー!」


女子「えーいいなー。私もいきたーい!!」


男子「席がこれ以上取れないんだよ」


女子「そんなぁ....」






か、代わってやりたい......。


けどケーキが.....。


くそ....。


でも、ケーキはいつでも食べれる。


そう、そうだよ、無理に行かなくても――








「だったら私が代わろうか?」


女子「え、いいの!?」





やったあ!とその女子はすごい喜んでる。



私は、「いいよ」と言おうとしたけど、邪魔された。







男子「だから、近藤ちゃんは強制だって言っただろ」


「はあ?なんで私だけ強制なんだよ。
不公平だって」


男子「近藤ちゃんのプリ、東栄の奴に見せたらその子は絶対に連れてこいよって」


「なんで勝手に見せてんだよ」





そもそもどこで入手したんだコイツ。





男子「そ、それは俺たちにも事情があるんだよ」


「んなもん知ったことか」



男子「近藤ちゃんのおかげで、アイツ等来てくれるんだから」



「アイツ等?」





話が見えねえ。



そもそもアイツ等って誰だ。





男子「近藤ちゃんが行かなかったらこの合コンの話、なかったことになる」


「え、それでよくね?つか質問に答えろ」


男子「よくねぇ!俺らの青春は近藤ちゃんにかかってんだよ!!」


「どんな青春だよ。だからアイツ等って誰だって聞いてんの」


女子「遥、東栄高校知らない?」


「名前だけなら聞いたことあるけど...」





学歴が高いとこだろ?


中学の優秀くんたちが行ったとこだろ?





女子「そこの学校に通ってる男子ですっごいイケメンがいるの!」


「へー」


女子「もちろん、顔だけじゃないよ!?勉強もスポーツも完璧なんだから!」


「そりゃ、東栄だからねぇ」


男子「ほんっと男にキョーミねえな...」


「うん、ない」









興味ないっていうか、嫌い。


特にチャラいのとか。









男子「ま、東栄の奴らと話して決めとくからさ。この日ならイイって日付、ここに書いといて?」




男子は一枚の紙を机に置いた。



そしてSTが始まるチャイムが鳴った。







谷「おら、お前ら早く席つけー」






谷ちゃんがダルそうに入ってきた。





谷「合コンはいいけど、酒は飲むなよーケンチ」

ケ「飲まないっすよ!?」







ケンチと呼ばれた男子は即座に反論した。

今まで話してた男子は、ケンチだ。


というか谷ちゃん、合コンのこと知ってんだ。



流石。





谷「お前が一番やらかしそうだからな」






谷ちゃんはいたずらっ子のような笑顔で笑う。


ケンチは「勝手に言ってろ!」と怒った素振りを見せた。


そのやりとりにクラスのみんなは笑った。


私は寝てたけど。


夢を見るまでもう少しってとこで誰かに起こされた。




(誰だよ...)



文「起きろって。これ、書いて」


「....お前かよ(ボソッ)」


文「なんか言ったか?」


「....いや、今日も爽やか笑顔炸裂だなって」


文「棒読みで言うな。それとこれ、書いて」



渡されたのは一枚の紙切れ。


あー...さっきの男子が言ってたやつか。


文也から紙切れを受け取った。




「…………めんどくせぇ」




何日が空いてるかって....バイトも部活もやって無いから、年がら年中暇人なんだけども。

けど、こういうめんどくさいのはあまり出たくないわけで。





(そいや、毎回断ってたなークラスの打ち上げ)




日曜は由香と遊ぶからそれ以外なら..。


土曜日なら出れる、と紙切れに書いた。


あとこれ書いてないのってー....なんだ、私だけだったのか。




(ならあの男子に渡すかー..)





丁度STも終わったらしく殆どが席を立っていた。



「これ、書いたから」



紙切れを机に置いた男子に紙切れを渡した。



男子「お、さんきゅー!..土曜日全部出れるの?」


「ん?.....あ、あぁ」


男子「了解!ケーキ待ってろよ」


「当たり前だ」





よかった、ケーキ覚えてた。


いや、忘れられてたら困るけど。
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