黒執事
「誰でも無ければ誰にも成れない」
彼は天使でも悪魔でも無く
人でも死神でも無く。
それ故に彼は
誰にも受け入れられず
冷たい地の底で涙を流す。
その涙を拭う
白い手と黒い爪に
彼は焦がれてはもがく。
愛したいのに愛し切れず
求めたいのに手を伸ばせず
どうしようもない疵を抱えたまま
彼は愛しい人を追いかける。
その先に待つ小さな出会いと
その愛しさを知らずに。
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