銀魂夢小説
□第七訓
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「ここがお妙さんの家だ!」
近藤さんに案内されて、連れてこられたのはなかなかに大きい屋敷。
「道場を復興させるのが夢らしいんだ!楽園で一生懸命働いてるよ」
「へぇ、健気ですね。ちなみに楽園ってキャバクラのことですか?キャバクラが天国なら吉原とかどうなんです?」
「あれは天国だろう!」
「だれかァ、変態ゴリラがいるゥゥゥ!」
「ちょ、雪乃ちゃん!?――グハァッ!!」
私がふざけて(いや割と本気で。
キショかったし)叫んでいると、どこからか女の人が近藤さんに蹴りをくらわした。
(おぉ、キレのある蹴り。すげぇ)
「まったく、また動物園から逃げ出してきたのかしらこのゴリラ」
「お妙さァァァん!」
ゲシッ。
女の人は近藤さんの顔を踏み潰した。
地面に這いつくばって、手を伸ばす近藤さんはどこからどう見ても変態だった。
(うわ、想像以上にキショいな)
上司が足蹴にされているのに眉をピクリとも動かさない雪乃。
というかかなり顔が引いている。
そこで女の人は私に気づいたよう。
「あら?あなたは…」
「あ、一応…認めたくないですけど部下の……やっぱり知り合いでもなんでもありません。他人の睦月雪乃と申します」
「あれェ!?ついに他人に格下げ!?」
「私は志村妙。お妙って呼んでね雪乃ちゃん」
「はい!お妙さん!」
うわぁ、美人さんに名前を呼ばれちゃったよ。
この人が近藤さんの想い人かぁ…。
無理だよ近藤さん。
こんな綺麗な人アンタには無理だって。
諦めなよ。
「その服は、真選組の方よね?このゴリラ動物園に帰して下さらない?」
「それは動物園の動物たちがあまりにも可哀想なので、その変態ゴリラは土にでも還しましょうか」
「ちょっとォォォ!?それ死んじゃう!そこにだけは帰しちゃだめェ!」
「あらあら、うるさいわねこのゴリラ」
「コンクリに沈めたら大人しくなるんじゃないですか?」
「それはいい案だわ雪乃ちゃん!」
「いや大人しくなるっていうか、固まって動けないというか…」
「いっそのこと売ればそれなりの額になりますよ」
「それもいい案ね!道場の復興の夢まであと少しだわ!」
「勲の人生の幕切れもあと少しィィィ!」
「「うるさい」」
ゲシッ。
雪乃とお妙は素晴らしいコンビネーションで近藤を撃沈させた。
「雪乃ちゃん、よかったら家で話していかない?気が合いそうだわ」
「わぁ、本当ですか!お邪魔させてもらいます!」
(何してんだ近藤さん…迎えに寄越した雪乃は?)
(…女の共謀(凶暴)タッグで、家の中……)
(…はぁ……)