銀魂夢小説

□第五訓
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ボー…。



「おい、雪乃」



ボー…。



「おいこら」



ボー…。



「聞いてんのか!」



「うるせェよ土方死ね(あ、なんですか土方さん?)」



「本音と建前逆になってんぞ」



「あ…」



私は口に手を当てた。



やっばい失敗しちゃった。



また瞳孔野郎に怒られるよ。



「テメェ……はぁ」



「? どうしたんです土方さん?タバコとマヨメーズ臭のする息を吐かないでください」



「それ、俺に死ねっつってんのか?」



こいつ…あくまでもニコチンとマヨの摂取をやめないつもりだ…っ!



「それ以外の言葉に聞こえたのなら、日本語最初からやり直してください」



「テメェは目上の人に対する態度をやり直――「嫌です」――即答!?」



なんだろうこの人、私にかまって欲しいのか。



生憎と私は忙しいのだから、声をかけないで欲しいところだ。



かまって欲しいなら総悟のところにでも逝ってこいよ。



「お呼びですかィ?」



噂をすればなんとやら。



頭の中で名前を出しただけだけどね。



「って、うわ出た」



「呼んでねぇよ、引っ込んでろ総悟」



「総悟、土方さんが遊んで欲しいって」



「誰がんなこと言った!?」



「え〜。すんごい面倒だけどぉ〜、そんなに言うんなら構ってやってもいいですぜィ〜?」



「うわ、うぜっ。史上最高にウゼェ。なんなのこいつ?斬っていい?」



「土下座して頼むんなら構ってやってもいいって総悟が言ってますが、土方さんどうぞ」



「やるか!!お前は俺に何を求めてんだ!」



「「死」」



「ハモるな!!」



なんだよ、もぉー。



かまって欲しいんじゃなかったの?



「で?いったいなんですか土方さん、ため息なんてついちゃって」



「うわぁ、タバコとマヨネーズ臭のする息を吐いたんですかィ?公害でさァ。息止めてろよ永遠に」



「お前が止めてろ総悟。あと話進まないから黙ってろ」



土方さんはポケットからタバコを出して、口にくわえると私を見る。



「これから事情聴取始まるから、用意しとけ」



えー、面倒くさい。



「そんなの土方さんたちだけで頑張ってくださいよー」



「サボる気か?あ?」



「あはは。いやだなぁ。サボるわけないじゃないですか。私には会計という忙しい業務があるんですゥ。だからmeは事情聴取には立ち会えないんですゥ」



「言い方が腹立つ。切腹しろ」



あ、土方のこめかみに血管が浮いてる。



あれブチ切れてくんないかな。



そしたら脳出血で死んでくれるんじゃね?



え?無理?



「そういや、そんなメンドイもんがありましたねィ。土方暗殺計画も途中だっていうのにねィ?雪乃」



「お前らいつも何やってんだァ!!暗殺計画って何!?」



「違うよ土方さん、総悟。暗殺計画じゃなくて抹殺計画だよ。どうせ誰がやったかなんてすぐバレるんだし」



「そこはあんまり違いなくね!?…ってだから話進まねェ!」



「あぁ、事情聴取がどうのこうのでしたね。はいはいちゃんとやりますよ。……ちなみに何の事情聴取です?」



「先日デパートで起こったテロのことだ」



「あ、それ私も当事者です」



私は手を挙げて爽やかに言った。



「エェェェ!?そんなの聞いてないよォっ?」



「だって言ってませんもん」



「もんじゃねェよ、可愛くねェよ!」



失礼な奴だな。可愛くないなんて。



「ガハッ」



「当事者って、その現場を目撃したんですかィ?」



総悟が土方を殴りながら聞いてきた。




「てめっ、何しやがる!――グホッ」



「目撃っていうか人質だったっていうか」



私も総悟にノって、土方を殴った。



「もうお前ら何なんだっ!――ゲヘラッ」



最後は私と総悟でスマッシュ。



わぁ、素晴らしいコンビプレー。



私たち相性いいかもー。



「そりゃ、災難でしたねィ。その日は非番だったんだろィ?」



「まぁね。変な三人組に会うわ、包丁で殺されそうになるわ、テロに遭うわの三拍子だった」



「変な三人組?」



総悟が首をコテンと傾げてるのを見て、私は言葉を失い悶えた。



可愛すぎるだろ、ベビーフェイスめっ。



隣で土方が撃沈していたが気にもとめない。



というより記憶から抹消されていた。







(ん?事情聴取ってことはあの三人も来るのか。じゃああの時の借りを返させてもらおうかな。ふふふっ…覚悟してろよォ!腐れ天パ&チャイナ娘&なんだっけ……あ、メガネ!)



(その三人組って……)
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