銀魂夢小説
□第九訓
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俺は山崎退。
真選組監察だ。
先日、真選組会計長が無事帰ってきた。
怒って出て行ったと話を聞いたときは心臓が止まるかと思うくらい驚いたものだ。
会計長はああ見えてかなり真選組を気に入っているし、局長に感じている恩も半端ない。
普段はふてぶてしい態度だけど、本当は人一倍優しい子なんだ。
で、そんな子を怒らせた原因が沖田隊長だっていうのには納得した。
というか、こっちが怒りたいぐらいだ。
けど、本人は少し焦っているみたいで、そんな気にはなれなかった。
真選組は会計長が大好きだ。
横暴だし、会長とか言ってるし、ドSの沖田隊長の考案する暗殺計画副参謀だし(もちろん参謀は沖田隊長だ)、包丁投げてくるし。
要するにかなり暴力的だ。
パワハラだよパワハラ。
でもやっぱり目が離せない。そんな子。
特に上司の方々は会計長にゾッコンだ。
局長は実の娘のように溺愛しているし。
副長は過保護すぎるくらい。
隊長は不器用ながらも会計長には優しい。
そういえば、会計長が帰ってきたきっかけは沖田隊長のプレゼントらしい。
正直こっちのほうが、俺的には死ぬかと思うくらい心臓がやばかったけど。
会計長がこれみよがしにうさぎのぬいぐるみを見せつけてきたけど、白い毛に赤いふてぶてしい死んだような目は、何故か無性にウザかった。
なんだろうこの感じ。
ああ、万事屋の旦那に似ているんだあのぬいぐるみ。
それを俺が指摘すると、途端に会計長は顔を赤くした。
え?なんで?
その顔はまるで恥じらっているようで、乙女の顔だった。
今まで知らなかった会計長の顔。
それはそこらにいる町娘の恋する顔と同じだった。
エエエエエエエエエ!?
ま、まさか会計長ォ!?
俺がそう叫ぶと、会計長は照れたように笑った。
内緒だからね。あと会長だから、と俺に言い残して自室に戻っていった。
(ちなみに自室はもう修理されている)
そんな・・・真選組の愛娘の会計長が・・・・・・っ。
あんな死んだ魚のような目をしたプーにィィイイイイ!?
もったいないよ!
あんな会計長でも顔はかなり美人の類に入るしプロポーションも悪くない。
二十歳半ばになれば色気を漂わせ、そりゃあもう絶世の美女になるだろう。
今はまだ幼さの残る顔つきだが。
それでも可愛い。
そんな会計長が!
あんな死んだ魚のような目をしたプーにィィイイイイ!?(二回目)
いや、旦那も顔は悪くない。
もしろいいほうだ。
かなり強いし、芯は一応通ってる人だ。
はっきり言って尊敬しないわけでもない。
が!
それとこれとは別だコノヤローォォォオオ!
これは真選組始まって以来の大波乱になるぞ。
局長副長隊長が黙っているはずがない。
やばい。やばすぎる!
おそらくこのことを知られれば、真選組全勢力を持って歌舞伎町を潰しにかかるだろう。
それは一番避けたい最悪の展開だ!
こうなれば、隠し通すしかない!
旦那だっていい年だし、好きな女を勝手につくるだろう。
まだ未成年である会計長に手を出すほど、飢えてもいないはずだ。
大丈夫。
これは時間が解決してくれる問題だ。
会計長が旦那に愛想を尽かせばいいだけなのだから。
あんなダメ男、すぐ飽きるに決まってる。
それまで、この真選組監察の山崎退がこの事実を隠し通せばいいだけの話!
よし、やるぞ退。
頑張れ退。
世界の平和のためと、会計長の貞操のために!
(なにガッツポーズなんかしてんのザキ。キショい)
((やっぱ、会計長の貞操はどうでもいいかも))