ぬらりひょんの孫夢小説 弐
□番外編IFシリーズ〜山吹〜
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ハッ。
目が覚めると古めかしい木材でできた日本家屋の天井。
まるでさっきまでの出来事がなかったかのような。
そうだ。
夢だったんだ。
サバイバルなんてなくて実はこうやって布団の中でぬくぬくしながら寝ていただけだったんだ。
あー、嫌な夢見た。
もういろんな意味で。
「しっかし夢オチとは何とも締まらないオチだな・・・」
俺が独り言をポツリとこぼした時だった。
「夢オチとは何ですか?」
儚げでそれでいてどこか凛とした綺麗な声が日本家屋に響いた。
どこかで聞いたことあるな。
どこだったかと、頭をフル回転させると思い出した。
サバイバル生活の山の中で最後に聴いた女の人の声だ!
いやでもあれは夢だし現実に存在するわけ―――。
「・・・!?・・・・・・・・・!?」
女性の方へ首をひねり見ると、長い黒髪と白い肌がミスマッチしている美しい人がいた。
思わず二度見してしまったほどだ。
その美しさにも・・・・・・どこかで見たような顔も。
「?」
俺の驚きように不思議そうに頭の上に疑問符をつくる女性。
「え、え?は?な、なんでっ」
「あ、知らない場所にいたのですから驚かれても無理はないですよね」
目の前の美人さんは俺に向かってにっこり微笑みながらこういった。
「初めまして。私は山吹乙女。山へ山菜を取りに行ったらあなたが倒れていたから助けたのですが・・・・・・もう元気になったようですね」
・・・・・・・・・。