ぬらりひょんの孫夢小説 弐

□番外編IFシリーズ〜山吹〜
1ページ/2ページ

ただいまサバイバル生活七日目、俺死にそうです。




この山に来て一週間。




俺はほぼ水だけで生きていた。




最初は山で生活なんて嫌だと思っていたから、下山してそれから考えようと思っていた。




で、下山しようと歩き続けること丸一日。




そこまで高くなく大きくない山だからすぐ下山できると思っていたのにまったく人里に降りられない。




狐にでも化かされているのかしらないが、現状を二文字で表すなら遭難だ。




これは長丁場になりそうだとゲンナリしてから、とりあえず食料を調達しようと考えた。




しかし俺はどうやら山を甘く見ていたらしい。




山にいる動物は皆気性が荒く、はっきり言って危険だ。




十歳の子供が狩りなど行えるわけがない。




小動物を食おうとも思ったが、すばしっこく捕まらないので断念。




というかあんな可愛らしい動物を食べられるわけがない。




魚にするか、と川を探し見つけたはいいが現代っ子で五歳児な俺では捕まえられない。




木の実は、食べても食あたりしないかどうかはわからない。




毒性があるかなんて一般人にはわかんねェっての。




仕方ないので江戸時代なだけに綺麗な川の水で過ごすこと一週間。




結論、無理。




いや無理だって。サバイバル甘く見てました。




証明しなくてもわかるだろ?




普通に無理。




つか、十歳児が一週間生きてただけでもすごいすごい。




俺は自画自賛しながらも、空腹で動けずにいた。




前世の時みたいに裕福ではないから発育も悪かったし、十歳児だし、この調子じゃあと数日で死ぬな。




こんなところでは救助は望めないだろう。




だとすると俺はこんなところで、たった十年しか生きていないのにまた死ぬのか。




もう、死にたくはないのに。




なんで俺は・・・・・・・・・・・・・。




「・・・・・・っ」




やばい泣きたくなってきた。




さすがに四十二年も生きてきた俺もいきなりのサバイバル生活なんて無理だっての。




くそぅ、前世からどうして俺はこんなにもついていないんだ。




だんだん今世について諦めかけていた時だった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ