ぬらりひょんの孫夢小説 弐

□番外編IFシリーズ〜山吹〜
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はい、こちらの都合で十年が経過しました。




俺も肉体的にはついに十歳。




精神的には・・・・・・四十二歳。




いやぁいいおっさんだよ。




元は女だったけどさ。




既に気持ちは男だし。




いっとくがオカマじゃねェぞ。




なんて言ってる場合じゃなかった。




現状報告をします。




今の俺の名前は桜生・・・・・・・・・つまり前と同じ名前を授かった。




いやぁうれしい限りだね。




違う名前だとしばらくは反応に困るだろうし。




実際前の世界じゃ名前が違ったから呼ばれても反応が悪かった。




それにしても前と同じ名前とか奇跡じゃん。




奇跡っていうかありえないんだけど。




前世と前前世の記憶を保持したまま転生して挙句の果てには名前も前と同じとか。




しかも、だ。




鏡を見るとそこには前世と似たような顔が。




つまり前世の桜生と俺はまったく同じ容姿、同じ名前で生まれてきたわけだ。




・・・・・・・関わりを持ったぬらりひょん達とはかかわり合いたくないな。




だって絶対混乱するし。




面倒そうだ。




まあここがぬら孫の世界とは決まったわけじゃないし、大丈夫だろう。




名前と容姿についての報告は以上。




次は・・・時代についてなんだが。




前俺がいた時代より少し進んでいるらしい。




江戸時代には変わりなかったけど。




ま、同じ江戸っていっても江戸時代は長いからなー。




もしぬら孫の世界なら、また姉上に会えるだろうか。




いや、きっと無理だろう。




姉上たちにとって桜生は死んだ。




今更俺が現れたところで、意味はない。




俺は異物なんだ。




ぬら孫の世界で消えて、もう現れることはない。





二度と。




・・・・・・まあこの話題は置いといて。




次は現在地について。




どうやらここは京ではなく、江戸の近くらしい。




公家ではなく、寂れた村の子として生まれた。




けど、ここでも俺は親に困ることになった。




前はクソ親父だったが一応いた。




今回は母親父親ともにいない。




母がどこかでこさえた子供が俺らしい。




ということは父親は不明。




しかも母はつい二、三年前に病で死んだ。




俺は親無し子になってしまった。




親がいないこと事態は、どうでもよかった。




俺の本当の親は前前世の、一番最初の親だけだと思っているからだ。




前世のあのクソ親父は最悪だったし、母親はよくわからん。




薄情だと思われるかもしれないが、あまり思い入れはない。




けれど親がいないことで困ることがあった。




ここは寂れた村だ。




食べ物に元から困っているところに飢饉がきたら・・・・・・親がいないただの子供の俺は邪魔なだけだ。
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