ぬらりひょんの孫夢小説
□第十六に
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〈鴉天狗side〉
先日、なんとも面白い人間の子供に助けられた。
人間の子供は妖怪のことは恐いと言いながらも、けが人は妖怪でも人間でも関係ないという。
面倒なのは嫌いらしいが、ワシが見るにかなりのお人好し。
子供のくせにかなり口は悪い。
しかも子供とは思えない話しぶりだった。
一人の大人を対して話しているようなそんな感覚を受けた。
だが、賢い子供は嫌いではない。
それに、最後までワシの怪我の心配をしておった。
まあ妖怪であるワシの傷は数刻ほどで治った。
傷は深かったが、すぐに止血をしたからか塞がるのも速かったのだ。
そしてワシの傷が塞がるまでの数刻の間、子供はワシに妖怪の話をねだった。
その時の子供の目は、怖いもの見たさという好奇心で溢れていた。
その時ばかりは大人のようだった雰囲気も、まるで子供のように無邪気になった。
可愛らしいですなぁ。
もし総大将が嫁を娶って子供が産まれたら、ぜひ世話をしてみたいものだ。
その子供は目の前の子供のように輝くような目でワシたちを見てくれるだろうか。
ああ、そうそう。
目の前にいる子供の名前は桜生というらしい。
桜生にワシは、妖怪の総大将になられるかた・・・ぬらりひょん様のことを教えてやった。
ぬらりひょん様の快進撃には桜生はとても興味深そうに、楽しそうに話を聞いておった。
そして総大将がまとめる奴良組、出入りの話から日常の話まで話すと桜生は面白かったのかケラケラ笑っていた。
その笑顔のなんと可愛いことか。
ワシも子供がほしくなってきた。
何故、桜生は妖怪が怖いというのにこんなにも楽しそうに笑うのだろうか。