ぬらりひょんの孫夢小説

□第九に
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今日は俺の八歳の誕生日だ。




と、いっても一年前の七歳の誕生日ほど喜ばれていないらしいが。




それはあの親父の反応が変わったからだろうか。



姉上の能力が覚醒する前は、普通に親として接していてくれた。




まあまあいい親だったと記憶している。




姉上の扱いも優しかったし、それなりに好きだった父親だ。




いまでは激変してクソ親父してるが。




七歳までの誕生日は親父は次期当主の俺に期待して、そりゃあ期待してた。




俺はそんなプレッシャーいらねェよ。当主なんてごめんだ。




って思ってた。




だが、姉上の能力が・・・金儲けが大事な親父は俺のことは忘れてしまった。




別に忘れても、俺としてはなんとも思わない。




親って言っても第二の親だし、構ってくれないから寂しいって思う年齢じゃないし。




ただ俺にとっては姉上一番だからな。




そ。姉上が一番だからこそ、こんな状態は認めない。




知ってるか親父?




姉上、最近あんまり笑ってくれないんだ。




笑っても、それは心から笑ったわけじゃないってわかる。




知ってたか?




いや知らないだろう。




あんたは姉上なんか見ちゃいない。




金を見てるんだからな。




だから、俺はあんたを親だと認めねェ。




絶対、当主の座から引きずり下ろしてやる。




姉上の自由の・・・笑顔のために。




「・・・桜生?」




一年前より随分と大人っぽくなった姉上の声。




おれが自分を呼んでいることに、俺はハッとした。




「ん、どうしました?姉上」




「ううん。桜生が恐いお顔をしていたから・・・」




うわー、いけないいけない。




ただでさえ、転生して目つき悪くて平凡な顔の持ち主になったんだから気を付けないと。




姉上のように綺麗な顔じゃねェんだぞ。




せめてもっとましな表情でいやがれ俺。




「申し訳ありません。姉上に誕生日を祝ってもらっている最中だというのに・・・」




そう。俺の誕生日は現在姉上に祝ってもらっている。
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