ぬらりひょんの孫夢小説
□序章
1ページ/1ページ
ゆらゆら揺れている。
生温かい水に包まれているような感覚。
こんな感覚は初めてのはずなのに、どこか懐かしいと感じてしまう。
だからだろうか、妙な安心感がある。
(ここは、どこ?)
瞼を開けているつもりなのに、そこに広がるは闇ばかり。
天と地の感覚さえ曖昧で、自身の体を動かそうにも上手く動いてくれない。
(あれ?というか私、さっきまで自分のベッドで寝てたよね?なんでこんなところにいるの?え?この状況意味不明なんだけど)
うまく動かない首を少しずつ傾けて辺りを見回すが、どこまで行っても暗闇しかなかった。
さっきまで妙な安心感に体を委ねていたのに、意識が徐々に覚醒していくにつれ不安が募る。
(ここ暗くて怖いし、なんかだんだん苦しくなってきたし。ん?え、ちょっと待って。本当に苦しいんだけど!)
体が締められるような、嫌な感覚が強くなっていく。
比例するように、頭がガンガンと痛み出し私は眉を寄せる。
実際寄せれたかは不明だが。
しかし、その謎の苦しみにより不安は爆発した。
(なんなのここ!?出して!お願い出して!)
嫌だ嫌だと体をジタバタさせると、更に苦しくなった。
(うっ・・・)
覚醒していた意識が遠のいていく。
だがそのまま意識を失えば、とんでもないことになりそうな危機を感じた。
このまま、ここにいてはいけない。
頭の中でそんな警告が出ている。
私はなんとかしてここから出ようと、最後までもがいた。
今にも気絶しそうな苦しみの中耐えて、どこかに出口はないか探す。
すると、一筋の光が見えた。
(・・・光?あそこにいけば、助かる?)
無意識に助かると感じてしまった。
本当に助かるかわからないのに、ただあそこへ行けば大丈夫だと思ってしまった。
私は光へ手を伸ばす。
何かに引っ張られるような感触・・・・・・そして、光に包まれた。