鬼灯の冷徹夢小説
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ああ、死んじゃったんだな・・・。
目の前にある現状を見て、私は一番最初にそう思った。
涙が流れなかったのは、まだ私が事態を飲み込んでいないからだろうか。
そういえばあの蛇は無事かな。
鈴ちゃんとか泣いたりしてないかな。
・・・・・・あの冷たい子が泣くわけないか。
どうせ、またドジ踏んだわねとか私を罵倒するんだ。
目に浮かぶよ。
それにしてもこの人大きいな。
あの有名な閻魔様らしいけど、全然怖くないよ。
だって顔がものすごく温和そうだもん。
親戚のおじさんみたいな感じだよね。
大きな閻魔大王様を見上げながらつらつらと感想を心の中で述べていると、つい最近聞いたバリトンボイスが聞こえた。
鬼灯「閻魔大王、後がつっかえてるんですが」
この声って…。
声のした方向を見ると、先日見た顔。
閻魔「そうは言ってもね鬼灯くん…」
そう、鬼灯さん。
鬼灯さん・・・・・・。
雪乃「鬼灯さんっ!?」
180半ばのガタイのいい身体。
整った顔。
先日は帽子で隠されていた頭には角。
耳は尖っていて、まるで本の中の鬼のような・・・。
っていうか角があるから鬼だよ。
あれ?でもさっき案内を受けたときは、鬼は皆天パだったからストレートの髪の鬼って珍しいのかな。
閻魔「え?え!?君ら知り合いっ?」
鬼灯「ええ。現世へ視察に行った時に」
閻魔「ちょ!?君、視察とか言っておきながら女の子にちょっかい出してたの!?」
鬼灯「そんなわけないでしょう」
雪乃「どちらかというと、ちょっかい出してたの私です」
閻魔「えっ!?」
話しかけたの私からだったし。
名前とか聞いちゃったし。
それにしても・・・・・・。
閻魔大王って言うから、もっと恐ろしい性格してるかと思ったけど全然優しい。
最初の印象通り親戚のおじさんのノリだ。
それに、今の話半分位冗談だったのに結構間に受けてる。
・・・・・・。
雪乃「閻魔大王様、騙されやすいとかつけ入りやすいって言われたことありません?最近詐欺の手法も利口になっているので気をつけてくださいね?」
鬼灯「ああ、閻魔大王みたいな人ってよく押し売り系で騙されるんですよね。本当に迷惑してます」
雪乃「ぐいぐい攻められると結局買ってしまう人ですか。でも閻魔大王様、体は大きいから黙ってむすっとしてれば何とかなりますよ」
鬼灯「なるほど、参考になります」
閻魔「君ら何の話をしてるの!?」
鬼灯・雪乃「「詐欺の対処法?」」
閻魔「仲いいね。息ぴったりじゃん」