HUNTER×HUNTER夢小説U

□story42
1ページ/1ページ



なんでこうなったんだろう。




ゾルディック家に別れも何も無しで、ハンター試験に臨むとか。




イルミが怒るよ。




滅茶苦茶怒られるよ。




ハンター試験に受かってもこれは後が怖い。




イルミは見ていてわかりづらいけど、キルアのことを大切に思ってる。




もし、これでキルアに何かあったら私殺されるな。




まぁ、キルアは結構強いみたいだし。




仮にも暗殺一家の期待の星だから大丈夫だとは思うけど。




キルア「ユキノ?ボーッとしてどうした?」




ユキノ「え!う、ううん。別に何でもないよ?」




キルア「そうかー?」




ただいま、私たち二人はハンター試験会場にいます。




会場に着くのも厳しいと言われていたけど、拍子抜けするほど簡単に着いた。




自分たちのナンバープレートを見ると、私には98番。




キルアには99番と書かれている。




ユキノ「…100番が良かった」




キリがいいし。




キルア「…どうせ、またキリがいいからとか下らない理由だろ?別にいいじゃん」




……キルアはいつからエスパーになったんだろうか。




私がただ単に表情に出やすいのか。




それともキルアがエスパーなのか。




謎が増えた…。




キルア「にしても、暇だなー」




まぁ、おそらく私たちは試験会場に来たのが早いほうなのだろう。




たぶん、400くらいの受験者が来るはずだから、しかし私たちでまだ4分の1ということは……。




あれ?




意外と楽勝?




団長が念を覚えさせてから試験に臨ませたくらいだから、ものすごく難しいのかと…。




「君たち、ルーキーだね?」




ん?




40半ばほどの気の良さそうな、オジさんがキルアと私に近づく。




キルアも私も、表には出さないが警戒はしている。




トンパ「俺はトンパってんだ。実はハンター試験を35回受けててベテランなんだ!何かわからないことがあったら聞いておくれよ」




……普通に気のいい人だった。




なんだか警戒してたのに対して罪悪感を覚える。




ユキノ「私はユキノです。こっちはキルア。…35回も受けてるってすごいですね」




キルア「ふん、要するにそれだけ落ちてるってことだな」




無愛想にキルアは答える。




そ、そんな突き放さなくたって…。




トンパさん可哀想だよ、キルア。




ユキノ「気にしないでくださいね?生意気な年頃なもんで」




私の言葉にムッとしたのか、キルアは私を軽く睨む。




そんなことしても、可愛いだけなのでスルー。




トンパ「いやいや、本当のことだからねぇ。あ!どうだい?これ、お近づきの印に」




トンパさんが差し出してきたのは、2本の缶ジュース。




な、なんて優しい…。




ゾルディック家に来て以来、人のこんな気遣いを目にしたことがなかった。




だからなのか、嬉しさが倍増した。




ユキノ「ありがとうございます!」




私はそれを快く受け取ろうとした。




が、キルアが私の分までひったくると、すぐさま蓋を開けて一気飲みしてしまった。





ユキノ「……何がしたいの、キルア」




意味不明な行動に、私はキルアを見つめる目が半目になる。




キルア「いやー、緊張してるのか喉渇いててさ」




嘘つけ。




緊張のきの字もしてないくせに。




そういう意味を込めて睨むと、キルアはニッと笑った。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ