銀魂夢小説

□第八訓
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私が万事屋に来てから一週間が経った頃だろうか。



そいつらは突然やってきた。



「銀時ィィィ!貴様いい加減攘夷志士になれェェ!!」



【あ、皆さんこんにちは】



いきなり万事屋の玄関が壊されたと思ったら長髪の男の人が入ってきた。



そしてそのあとを続くようになんか白い変な物体が入ってくる。



え?何あれ?



あの白いの生物なの?



天人だとしても見たことないよ。



「おいヅラァァァァ!テメェ人様ん家の玄関壊して勧誘してんじゃねェよ!!」



銀さんが突然の来訪者に怒鳴りつける。



それにしてもあの長髪男性どっかで見たぞ。



「ちょっ、銀さんンン!ヤバイですって今雪乃さんいるんですよ!!(小声)」



「ハッ!そうだった…っ。ヅラの正体がバレたら通報される。そして俺らも道連れだ(小声)」




どこだったっけなぁ…。




あのうざったそうな長髪って滅多にいなさそうなのに。



「銀ちゃん、ヤバいアル。雪乃姉めっちゃヅラのことガン見してるヨ(小声)」



「いやでも待て。あいついつも書類整理ばっかりで指名手配犯なんかおいかけねェって言ってたから、もしかして顔覚えてねェかもしんねェ(小声)」



何やら小声で談義を始めた万事屋ズ。



完全来訪者は放置だ。



「ん?お主見ない顔だな」



すると、来訪者は私に話しかけてきた。



仲間はずれにされて寂しかったんだろうか。



だが、今記憶の引き出しを開けて頑張って思い出そうとしているのに話しかけないで欲しい。



「ヅラァァァァ!なんで話かけてんだよォ!?」



「そんなに早死したかったんですかアンタァァァ!」



「終わったアル」



なんか横で悲壮な顔をしている三人がいるけど、どうしたのだろうか。



そして、さっきから言ってるけどヅラって?



何?この人のウザったらしい髪ってヅラだったの?



「あ、最近万事屋ズになりました。会長の睦月雪乃です。どうも」



とりあえず初対面でイメージは大切だったから、頭を下げておいた。



「おい。奇跡的にバレてないようだぞ(小声)」



「首の皮一枚ギリで繋がりましたね(小声)」



「ああ、これはご丁寧にすまないな。私はかつ――「ヅラァァァァ!!!」――グハァ!」



何故かヅラさんの自己紹介の時に銀さんが横槍を入れてきた。



というかヅラさん障子に埋まってるけど。



突き刺さってるけど大丈夫なのコレ?



「なんでお前はそうやって死に急ぐんだ!命は大切にしろバカヤロォォ!」



なぜ、私に自己紹介をするだけでそんな大事になってるんだ。



「ヅ、ヅラじゃない。かつr―――「だからヤメろって言ってんだろォォォォ!!」――ガハァッ」



復活しそうだったヅラさんは再び銀さんの手によって沈められた。



なぜ?



そういえばヅラじゃないって言ってたな。



自毛なのか。それともハゲなのを隠しているのか。



いやでも見た感じ不自然なところもないし、ホンモノだと思うけど…。



さっきから、かつ…なんとかって言ってる気がする。



かつ…カツ…。



カツラだったの?



え?ヅラと同じじゃね?



あんまり変わんないよ。細かいよ。



‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥カツラ?



「ふぅ、雪乃ちゃんこいつ変態で馬鹿だから関わらない方がいいよ?」



銀さんが冷や汗でいっぱいの額を袖で拭った。



「変態で馬鹿な人とどういう接点なんですか銀さん。場合によっては軽蔑します」



「クソォ!どっちにしろ終わりっぽい!」



「雪乃さんっ!かつ…ヅラさんはですね!実は銀さんと昔からの旧友だったらしくて、こんなんになっちゃったのは最近なんです。銀さんは悪くないんです!」



(ナイス弁護だ新八!けど、言い訳があまり事実と異なってない点が悲しいな!)



「へぇ。それなら仕方ないですね。ちなみにいつ頃からの付き合いなんですか?」



「え、えっと俺が寺子屋通ってるぐれェ小せェ時?」



「寺子屋通ってたのにその頭か…心中お察しします」



「どういう意味だコラ」



「そんなに小さい頃からの付き合いなら尚更気を付けないといけませんね」



「え…なにが?」



私はいつまでも埋まってるかわいそうなヅラさんを引き上げてあげた。



「す、すまない会長殿…」



お、この人はちゃんと私を会長と呼ぶ人だ。



そしてヅラさんを玄関まで引っ張りお帰りいただいた。



あの人ずっとここにいいると、そのうち銀さんに殺されるよ。



その時になんか白い生物が頭を下げてきたので、思わず下げ返してしまった。



「ねぇ、雪乃ちゃんナチュラルに無視したよね?」



なんかグチグチ言ってる天パの人は気にしないようにしよう。



「雪乃ちゃーん?」



「…うるさい。せっかく人が指名手配犯のこと見なかったことにしてあげてるのに」



「気づいていらしゃったァァァァ!?」



うん、さっき気がついた。



元真選組のくせにダメだなこりゃ。



なんかすぐに思い出せなかったのがムカつくので今度から指名手配犯の顔はしっかり思えておこうと密かに誓う。



「ヅラって名前でなんか連想させられたよ。なんか様子が変だと思ったら…」



「雪乃さん!警察だけは勘弁してください!攘夷志士の仲間入りなんてしてませんから!ほぼ巻き込まれてるだけですから!」



「攘夷志士?何言ってるんです?今日私が会ったのはヅラという名前の銀さんの悪友で変態の指名手配犯でしょう?」



仕方ないから、見なかったことにしてあげよう。



「ま、私今警察じゃないんで。かかわり合いのないことですけどォ」



「雪乃姉最高アル!!」



それに、



「それに私を会長と素直に呼ぶ人に悪い人なんかいなァァい!(本音)」



「おいカッコに本音って書いてあるぞ。かばったどころか超個人的な理由じゃねェか」



「何?パクられたいの?」



「すいませんでしたァァァァ!!」











(以前土方さんが怪しいって言ってたのもあながち間違いじゃなかったのか)

(それにしても何だったんだろうかあの白い変な生物)
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